叱ればわかる?
どこかで勘違いされている「褒めるトレーニング」については以前も書いていますが、別の勘違いとして、「褒めるトレーニングは犬が何をやっても褒めればいい」と考えられているところ。
この勘違いのせいで、「褒めるだけじゃだめだ!きちんと叱らないといけない!」という反論も出て、犬を叱る人は少なくありません。
そもそも、「叱る」とはどういう意味でしょう。
一般的に、やってはいけないことをしたときに、叱責すること。が「叱る」ことだと思うのですが、問題は、犬が何を叱られているのか認識(理解)できているかということです。
例えば「甘噛み中の本気噛み」。
飼い主さんが憎くて本気で噛むわけではありませんが、甘噛みしているうちに興奮して、つい力が入ってしまったとき、結果飼い主さんとしては「痛い」思いをするので、そういう時は「痛いよ。」と伝えることは大事。
なぜなら、加減を覚えてもらわないと、いつも全力でぶつかって来られてしまうからです。
でも、そのとき「痛い」ではなく、「ダメ!」と言ってマズルを掴むなどの行動を取った時、犬は偶然に力が入ってしまったことをいさめられていると理解するでしょうか。
びっくりして、その時の行動は止められたとしても、怖いことをする飼主に対して、ある種の警戒感を持ってしまう可能性も否めません。
例えばよくあるケースの「トイレの失敗」
トイレスペースでトイレをしようと犬は思っていても、片足がはみ出てしまったり、実際シーツから少しずれてしまったりすることはよくあります。
また、トイレに行こうと思ったけれど、トイレが遠くて、赤ちゃんレベルのパピーにはたどり着けずその場でやってしまったということもよくある話です。
そんな時、「ダメ!」と言って叱責すれば、犬はトイレからはみ出たことや、トイレに間に合わなかったことを叱られたと思うでしょうか。
理由なく叱られたと感じれば、今度は叱られないように、飼い主の見ていない場所で、こっそり済ませようと思う犬もいるでしょう。
言語が違う異種間のコミュニケーションにおいては、何が失敗なのかを伝えるのはなかなか難しいものです。
例えば、異なる言語を話す人間同士の場合、初めて日本にやってきた海外の留学生がいたとしましょう。
畳の部屋に入ったときに突然家主に「それはダメだ」と言われたとします。
留学生には何が伝わるでしょうか。
恐らく声のトーンで、家主の機嫌はよくないと感じます。
しかし、何が原因で機嫌が悪いのかわからないでしょう。
家主は畳の縁を踏んだことをいさめたつもりでも、相手にはなかなか伝わりませんよね。
いずれにしても、「ダメ」や「イケナイ」という叱責は一瞬犬をひるませますが、理由を理解できているかどうかは疑問が残ります。
やって欲しい行動が出やすい環境づくりをしながら、出来たことを強化(何度も褒めることでその行動の出現頻度を上げる)した方が、速く理解してもらえるはずです。
あんまりダメ出しをすると、犬も意欲を無くしてしまいます。
さて、今日の見習い。
相変らず、安定した脚側行進を目指して練習中ですが、今まで少し前に出過ぎていたのを修正してきました。
正しい位置、少しは理解出来たかな?
まだまだ先の長い1歳3ヵ月です。
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