オビディエンス(服従訓練)は基本
パピーから成犬まで、様々なクライアントさんとお話をする機会がありますが、ドッグダンスなど、目的を持っていらした方で、子犬の頃に何がしかのお教室に通ったことがある犬たちは、新しい行動を教えようとしたとき、通った経験のない犬よりも呑み込みが速いように見えます。
つまり、本格的な競技レベルのトレーニングではなくても、オスワリやマテなどをきちんと練習したことがある犬たちは理解が速いし、教わることに対して馴れていると言ってもいいかもしれません。
相手が何を言おうとしているのかを聞こうとする姿勢が出来ていて、実践することできちんと褒めてもらった経験を持っている犬たちは、学習すること自体を楽しんでいると言えます。
もちろん、この場合の子犬の頃の経験がネガティブな物であれば状況は変わってきます。
何をやっても「イケナイ」といった、行動を制限するような言葉ばかりを投げかけられていると、犬は行動(学習)しようとする意欲を無くしてしまうために、学習自体が進まなくなってしまうからです。
ドッグスポーツ競技に出るためのトレーニングでは細部にこだわった教え方が必要になりますが、一般家庭犬と比べて、厳しいわけではありません。
教え方は同じ。
上手に出来るようにサポートし、出来たらちゃんと褒めるだけなので、出来ないからと言って痛い思いをするわけではないからです。
細かい分、沢山学ばなければなりませんが、基準がはっきりしている分、犬にはわかりやすいと言えるでしょう。
例えば脚側停座を教えられた犬は、キューを聞けばその位置に向かい、座ればいいと学びます。
しかし、単に「オスワリ」としか教えられていない犬の場合は、どこで座ればいいのかわからないし、座った場所によっては、「そこじゃない、こっち」などと言われたりして、ちゃんと「オスワリ」自体は出来ているのに、きちんと褒められないこともあるでしょう。
いずれにしても、犬に何かを教えたり伝えたりするには、共通言語を持つ必要があるので、競技に出なくても、基本のトレーニングをきちんとやってあげるとコミュニケーションは取りやすくなるでしょう。
前アシスタントは、何かを咥えて持ってくるのがとても好きな子でした。
競技で「持来」を教えるときも、一切強制で教えていないので、何か拾って咥えて戻ってくると、いいことがあると知っていました。
家の中で何かを落としても、彼女はすかさずソファから飛び降り、すぐに拾ってきてくれました。
もちろん、私としては「ありがとう♪」と言って、ご褒美のオヤツをあげていました。
時にはオヤツを持っていないこともあるので、毎回ご褒美が出るわけではありませんが、彼女はいつも楽しそうに拾ってくれました。
オヤツが欲しいと、わざわざテーブルの上から物を落とすこともありました。
かつて楽しそうにいろいろなものを咥えていた犬が、強制持来をやったことで、遊びですら咥えられなくなったという話も聞きました。
人にとってはトレーニングでも、犬にとっては楽しいゲームでなければ学習は進みません。
楽しいトレーニングをめざしてみませんか。
さて、見習いは小さいころか「フセ」を強化しています。
子犬とは言え、動きが速い子なので、動きを止めるには「フセ」が一番わかりやすいからです。
今は脚側停座を強化中です。
脚側停座はハンドラーの横で落ち着いて待つことにも繋がります。
今は楽しいヒールワークに向けての準備中と言うところでしょうか。
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