カートに馴らす
ワクチン前のパピーや歩くのが辛くなったシニア犬でもない限り、通常カートに乗って散歩に出る犬はあまりいないのではないでしょうか。
なぜなら、自分の足で歩くことは、生き物として生きていく上ではとても重要なことだからです。
人間同様、歩かなければ筋力は落ち、運動量も足りなければお腹もすかないし、あまり健康的ではありませんね。
しかし、居住環境によっては、共有スペースは歩かせられないというルールが存在するところも少なくありません。
その場合、敷地内や施設内は当然抱っこかカートになります。
小型犬ならまだしも、中型犬以上の場合抱っこでエレベーターに乗せて、敷地を出るまで抱き続けるのはかなりの負担です。
人間側の負担だけでなく、犬にとっても自由を束縛され、しかも抱かれると暑いとなれば、到底じっとしていろと言うのが無理な話です。
そこで、健康な若い犬であっても、カートに乗るシチュエーションが生じます。
カートに乗ることなんて大したことじゃないと考えるのは人間側の都合。
自分の居場所が揺れ始めれば犬は驚き、飛び降りようとします。
ずっと昔、某国際電話会社のコマーシャルフィルムの撮影に参加した我が家の犬たち。
最初はただ座っていて、「吠えろ」のキューで吠えられればOKと言う話でしたが、途中でディレクターの気持ちが変わったのか、左右に揺れている画が撮りたいということになり、なんと座っている台を左右に動かしたのです。
最初は、一番人の話がよくわかっている母犬が参加していましたが、台が揺れた途端飛び降りて、2度と乗ろうとはしませんでした。
そこで、あまり神経質ではない娘に頼んだところ、揺れても気にすることなく、仕事をこなしてくれました。
いつもと違う状況に馴れるには時間がかかるということを常に念頭に置いておかなければいけません。
「カートなんて簡単!」と思わず、まずカートの中で美味しいものを食べたりしながら落ち着く練習から始めましょう。
好奇心旺盛な若い犬であれば、中でじっとしていることを教えてあげなければすぐに飛び出してしまい、場合によっては骨折なんてことにもなりかねません。
カバーがついているのであれば、カバーをした状態に馴らしたりすることも必要です。
いずれにしても、急に乗せて外に連れ出すのではなく、少しずつ乗ることに馴らしてから動かしてみるようにしましょう。
面倒だからと、カートのまま散歩に行かないように。
自分の足で歩きながら、様々な刺激に触れて、情報を得ることは犬の成長にはかかせまん。
飛び降り防止策としてリードを着けておくことも重要ですが、万が一飛び降りたときに首をつらないよう、ハーネスに繋いだり、リードの長さを確認しておくことも大事なポイントですね。
見習い1号も、カート時代を過ごしました。
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