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2022年8月11日 (木)

若犬のトレーニング

人間の英才教育同様、犬が小さいころにいろいろなことを教えることはいいことだと思います。
子犬は好奇心が旺盛なので、ゲーム感覚で沢山のことをスポンジのように吸収してくれるからです。

どんどん吸収してくれると、ついついすごく賢くなったようにみえます。
そして、教えたことは次も必ずやってくれるだろうと。

しかし、実際にやってみると、そうそううまく行かないことに気づき、時にがっかり、時にイラっとしたりするかもしれません。
でも実際子犬はやっぱり子犬で、頭の中はまだまだ赤ちゃん。
そう簡単には学習できないので、繰り返し伝えていく作業が欠かせません。
トイレトレーニングひとつをとっても同様です。
うまくできる日もあれば、子犬の感情が邪魔になって失敗することもあるからです。

犬のトレーニングは犬にとって苦痛であれば当然続かないし、学習も進みません。
子犬を見れば一目瞭然。
楽しくないことには見向きもしないからです。
それがどんなに高価なおもちゃであったとしても。

楽しいことはどんどん進みますが、子犬の集中力はそれほど持ちません。
タイマーで時間を区切ってやるくらいでないと、ハンドラーはついつい勢いでやり過ぎてしまうこともあるでしょう。
子犬の頭がいっぱいになってしまうと、次につながらない可能性もあるので、ほどほどにすることが肝心。

何度も繰り返したことだから、もう理解できただろうと思っても、頭の中が成長していないと、精度を上げることは難しくなります。
なぜなら全体像を見るだけの能力がまだ備わっていないからです。

ご存知のように現在見習い2号は生後9か月。まだまだ大人ではありません。
かと言って赤ちゃんでもない。
いわゆる思春期という時期で、多くのことを理解する能力が付き始めてはいますが、わかっていてもやらないという選択をするときもあります。
出来ないのかやらないのか。をハンドラーはきちんと観察しなければいけません。

つまり何が言いたいのかと言えば、子犬は教えたことを吸収して、すぐに出来たように見えます。
しかし、集中力がある程度持続できるくらいに成長しないと、行動の精度をあげることは難しいので、早くから学習の習慣をつけることは大事ですが、その成果がすぐに出ると期待しすぎないことが重要ということ。
身体的成長とともに、頭(脳)の成長が伴って初めてきちんとした形になってくるので、成長の時期にあわせてトレーニングを進めていく必要があります。

さて、見習い2号は現在生後9か月ですが、「ダンベル持来」の練習を生後6か月から始めました。
これを早すぎると思うか遅いと思うかは、恐らく教え方次第でしょう。

2号の場合、おもちゃを投げても、持ち逃げして一人遊びをする方が楽しいと思ったのか、なかなか持ってきてくれませんでした。
そこで、おもちゃを取りに行くという作業をベースにすると、「持来」への移行に時間がかかりそうだったので、「シェーピング」で軽量ダンベルに触れさせることから始めました。
ダンベルに鼻を付けたり、口を付けたりするだけでクリッカーが鳴ってオヤツがもらえると思うと、2号は率先してダンベルに向かって行きました。

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それから、様々なトレーニングの合間に「持来」時間を作って、コンスタントにダンベルに触れてもらうことで、口を付けるだけたった行動が、咥える行動に発展し、咥えたものを「出す」ことを覚え、床に置かれたダンベルを拾いあげたり、取りに行くことが出来るようになりました。

202208112

あとは、咥えたまま脚側停座につくだけ。
ゆっくり行動を強化していきます。

当然のことながら、これはまだ家の中限定。
他にも楽しいことや物がある外ではまだまだです。

訓練士によっては、「強制訓練法で教えればすぐに教えられる。」と言う人もいます。
しかし、犬種や個体の違いもあるでしょうが、長い目で見たとき、飼い主と一緒に楽しみながらトレーニングを続けてもらうには、時間はかかっても、楽しく学習してもらう方がいいと思っています。

犬のトレーニングを楽しく続けるために、犬の状態をよく観察することと、ハンドラーの忍耐は欠かせませんね。

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