ドッグトレーニング:一度に二つ以上の基準を与えない
犬に行動を教えるとき、人はついつい欲張って二つ以上のことを教えようとしてしまいます。
例えば、「お手とおかわり」。
一見セットに見えるので、ついつい、「お手、おかわり」と続けて犬の手を取ってしまって教えがちです。
何度も繰り返していれば、お手と言われて片手を出し、次にお替りと言われて反対側の手を出すことは可能です。
しかし、この場合犬は単純にパターンで覚えてしまっているので、突然「おかわり」と言われてしまうと、いつものパターン通り「お手」をしてしまうことは否めません。
しかも、向かい合わせに座って、犬の手を同じ側の手を出し続けていれば、当然犬は視覚的にも、出されて手を同じ側の手をあげてしまう確率が高くなります。
「お手」を教えるのであれば、「お手」の意味がある程度わかってきてから「おかわり」を教えた方が混乱しづらいですね。
ハンドラーが手を見せなくても、出されたキューを聴いて犬が正しい方の前脚をあげてくれるようになれば、犬はキューの意味を理解したと考えていいでしょう。
さて、毎朝カートに乗って先輩犬たちの練習を横目に見ている見習い2。
普段はカートに乗って静かに座っていられたら、クリッカーを鳴らして強化していますが、先日はたまたま近くでバスケットボールの練習をしていた人がいました。
ボールが弾む重めの音や、ゴールの壁にあたった音。
さらにボールを追いかける青年の走る様子など、見習い2にとっては初めて見るもののうえ、元々動くものへの反応は過剰に出ているので、この日は座らなくても、静かに見ていられただけでクリックして強化しました。
まだまだきちんと「オスワリ」も教えていない見習い2です。
座って待てるようになるまでには、まだまだ時間がかかります。
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