犬の社会化、勘違いしていませんか?
子犬に社会化が重要なことは、今では当たり前のように言われています。
そして、それは生後2~3か月から6か月ぐらいまでの間に限ることではなく、成犬になるまでは引き続き意識していなければいけないこともわかっています。
なぜなら、生後一年前後は犬の思春期の時期にもあたり、今まで大丈夫だったものが急にダメになったりする不安定な時期だからです。
心の成長や体のホルモンバランスの変化と共に、人間の思春期と同様のことが起こるこの時期は日々変化すると言ってもいいでしょう。
っで、何が勘違いなのかと言うと、「社会化が出来ている犬=社会性のある犬=誰にでもフレンドリーな犬」と思われていることが意外と多いことです。
つまり、「社会化がちゃんと出来た犬は、ドッグランで誰とでも仲良く遊べる犬」と思っていらっしゃるかたが少なくないということです。
「誰とでも仲良く遊べる犬」は飼い主にとってはとても楽な犬とも言えますが、それは社会化とは別の話です。
他の犬と仲良く遊べても、車やバイクの音が怖くて平常心で街を歩けなかったり、人が向こうから歩いてくるのを見て大興奮する犬は社会化が出来ているとは言いません。
傘をさす人、車いすの人、大きな声を出す子供、爆音を立てて走り抜けていくバイク、石ころだらけの道、チクチクする草の上、固いアスファルト、変わった匂いがする場所などなど、そういった日常的に存在することやものに対していちいち気にすることなく、平常心でいられるようにサポートすることが社会化するということです。
我が家の見習い、未去勢の現在6歳のオスですが、チビの頃公園に連れていくと、視界に犬が入ると大声で吠えて犬を呼んでいました。
彼は小さいころから近所の公園で先輩犬たちに育てられたので、犬が来ると喜ぶタイプでしたが、出会う犬全てに大興奮されては落ち着いて散歩も出来ません。
世の中に犬はいても当たり前だから、いちいち反応しなくていいよ。としつこく伝え続け、ようやく大興奮はなくなりました。
しかし、彼は未去勢のオスでもあるので、自分よりちょっと大きめのオス犬を見てしまうと緊張します。
これは社会化とは別の次元です。
そういう時私は相手と距離を取るようにしています。
彼にも感情がありますから、気にいらない犬と仲良くする必要はないと思っているので、知らん顔出来る距離をとるだけです。
当然ドッグランも知らない犬ばかりの時は入りません。
みんながフレンドリーとは限らないので、彼のストレスを考えたら、無理にドッグランに入る必要はないからです。
社会化は人間社会で共存するために犬の苦手を減らしてあげること。
例えば地面によくあるグレーチング。
下が透けて見えることや、夏は熱く、冬は冷たいなど、犬にとってはあまり好ましくないものであっても、場合によってはそこを通らなくては先に進めないこともあります。
小型犬なら抱っこで避けることも出来ますが、大型犬は抱っこも出来ません。
そんなグレーチングも普通に上を歩いたり、あるいはひょいと跳び越えられるように自信をつけてあげることが社会化です。
散歩コースに突然現れた大型バイクなどに対しても、気にしなくていいものと犬に学習させて、少しずつ馴らしていくことが社会化です。
その状況は一つ一つ違いますが、いろいろな経験をさせていくことで、「般化」という、「こっちのバイクもあっちのバイクも一緒だね。」ということを犬に学習させて、日常のストレスを軽減してあげることが飼い主のサポートです。
少しずつ、犬のストレスレベルに合わせて進めて行きましょう。
散歩の途中には国道が走っているので信号待ちもあります。
公園でイベントがあれば、距離を取って人混みや騒音に馴らします。
犬の苦手なスケートボードも、ネット越しで安全を確保して馴らしていきます。
苦手な物と楽しいものを組み合わせて、「大丈夫」にさせてあげることが社会化。
大人になるまでは続けてあげたいですね。
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