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2021年11月20日 (土)

チョークチェーンのはなし

私が自分の責任において犬を飼い始めた30年以上前はチョークチェーンが主流でした。

チョークチェーンとはどんなものでしょうか。
「チョーク」という言葉通り、首を絞めるタイプのカラー(首輪)です。

犬が引っ張れば当然首がしまって苦しいので、犬の引っ張りを防止するためにも使われていました。
しかし、苦しくて引っ張りをやめる犬はいいとしても、苦しくてもなお衝動を抑えきれずにグイグイ引っ張る犬は目を血走らせ、明らかに健康上に害をもたらす道具としか見えません。

また、チョーキング(首を吊り上げる)出来ることから、犬が好ましくない行動を取った時は、敢えてリードを引き上げて首を絞め、犬を上に引っ張り上げて犬の行動を止めるという使い方をする人もいました。
犬は首を絞められた状態で手足をバタつかせ、なすすべがない状態です。

こんな状況の犬を一般的に目にしたらどうでしょう。
「しつけだから仕方ない。」と思うか、「虐待じゃない?」と感じるか。

このようなことが以前は頻繁に行われ、それによって大人しくなる犬もいれば、逆キレして人を咬むようになり、職業柄犬のリハビリのために伺うこともありました。

犬は悪くありません。
きちんとこちらの意向が伝えきれていなかっただけです。

いずれにしても、以前はこのようなことが日常的に行われ、それが正しいとされてきましたが、ここ10数年は、動物先進国の発信する「アニマルウェルフェア(動物の福祉)」をベースに、犬に苦痛を与えることなく、学習させていくすべがわかってきました。
見習いが今頑張っているFCIオビディエンスの規定にも、チョークカラーの禁止や、競技会場内での犬への不適切な行為や、競技中犬に罰を与えた場合は失格となる可能性があることも明記されています。

たとえチョークタイプの首輪でなかったとしても、首輪を吊り上げられるというのは犬にとっては苦痛です。
健康上もよくありません。
特に小型犬の場合は、気管虚脱する可能性もあります。

そのような懸念もあって、最近では犬の体に安全なハーネスを使う飼い主さんも増えていますが、トレーナーによっては、ハーネスは引っ張りを助長するから、首輪の方がいいと言う人もいます。
それはやっぱり、首が苦しければ引っ張らなくなるだろうという犬に嫌悪刺激を与えているだけで、犬はなかなか学習出来ないでしょう。
そもそも、首輪が無ければどこかにすっ飛んでいってしまうという結末にもなりかねません。

愛犬にやって欲しい行動を上手に伝えていきたいですね。

35年前の我が家の愛犬。

202111201

犬種の特性から引っ張りが強かったため、当時お願いした訓練士さんがチョークチェーンを使ってトレーニングをされたのですが、気づいたら、首周りの毛が擦り切れていて、その後きれいに生えそろわなくなってしまったので、チョークチェンから通常のフラットカラーに変え、晩年はハーネスを着けるようになりました。

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