ドッグトレーニング:心の抵抗力
「子犬と暮らし始めたら社会化を頑張りましょう!」
ということは最近では当たり前に言われていますので、「社会化」という言葉を知らない人は少ないのではないでしょうか。
当然ブリーダーさんも子犬を引き渡すときにアドバイスをされることでしょうし、例えペットショップから迎え入れたとしても、ショップは犬の専門家でもあるので、このようなアドバイスはされるはずです。
22年前、我が家で初めてのボーダー・コリーを迎え入れたときは、「社会化」以前に、私自身が早く子犬と一緒に外に出たくて、ワクチンが済むまでは抱っこで散歩に行っていました。
当時は閑静な住宅街に住んでいたのですが、一歩私道を出るとバスも通る交通量のある場所だったので、なるべく多くの刺激に早く馴らしてあげたいという気持ちもありました。
しかし、何度も書いているように社会化は一時的なものではありません。
子犬の成長と共に少しずつ多くの「もの」や「こと」にさらしながら人間社会で共存しやすい精神力を培っていくことです。
つまり、心に抵抗力を付けてあげることです。
ちょっとしたことにも動じない、ある意味鈍感力とも言えます。
後ろに人がいるだけでびっくりする。
横を自転車がすり抜けるだけでもびっくりする。
人がドアを開けて室内に入ってきただけでもびっくりする。
こういったことは当然人間も「ハッとする」ことではありますが、いちいちドキドキしたり、騒ぎ立てることなく、すぐ平常心に戻ることが出来ます。
様々な経験を積むことで、犬にも「いちいち気にしなくても大丈夫」という気持ちが育ち、それがストレスを軽減させてくれます。
そのためには、様々なアクティビティに参加することも有効です。
いつもの環境以外のところに連れていき、危険が無いことを少しずつ学習してもらうことで、心の抵抗力は少しずつついていきます。
以前、子犬を迎えてから一度もマンションの部屋から外に連れ出したことがないという人の話を聞きました。
一生マンションの中で暮らしているのならかまいませんが、獣医に行って知らない人に体を触られたり、旅行に行って知らない犬たちと遭遇するということは、その子犬にとってどんなにストレスになるか想像してみてください。
子犬が来たら、子犬の負担にならないレベルから、いろいろな経験をさせてあげましょう。
子犬の負担あるいは負荷はゼロにするのではなく、少しずつ与えていくことが大事ですよ。
さて、今日はちょっとお散歩が苦手なT君のプライベートレッスンでした。
訳あってあんまり歩きたくないT君ですが、体重増加や、食欲不振など、いろいろな弊害が出ることもあり、少しずつ散歩が好きになるように頑張って頂きました。
初めてのレッスンでは、絶対歩くものかと頑としてマンションの出口の傍を離れようとしなかったT君。
尻尾も下がって固くなり、明らかに大きなストレスを感じていました。
あれから半年、夏の暑さや、足の不具合など、いろいろ障害もありましたが、今日のレッスンではとても楽しそうに歩いてくれました。
さらに、公園の土の上でなければ走れなかったのに、なんと今日はアスファルトの上を尻尾を振りながら飼い主さんを追いかけて走ってくれました。
まだまだ毎回楽しそうとはいかないそうですが、少しずつでも散歩の楽しさを実感していってもらいたいですね。
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