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2021年11月17日 (水)

地面の匂い嗅ぎは犬の楽しみ?

日常の散歩で、「犬らしくさせたい。」という気持ちから、愛犬の匂い嗅ぎを容認している飼主さんは少なくないでしょう。
確かに、様々な匂いを嗅ぎながら犬は情報を得ているので、匂い嗅ぎ自体は悪いことではありません。
しかし、犬が好んでやっていると思っていた匂い嗅ぎが、実は犬はそんなに楽しんでいないということもあります。

犬のストレスサインとして「カーミングシグナル」という言葉を耳にするようになってから大分経ちますが、実は「匂い嗅ぎ」も犬のストレスサインのひとつなのです。

これは、あまりかかわりたくない犬に会ったときや、言われていることがよくわからないのに、飼い主から負荷がかけられているときなどに出たりします。
ある意味現実逃避のような感じでしょうか。

以前訓練競技会で他の人の競技を見ていたときのことです。
ハンドラーのキューで犬は作業していましたが、途中でわからなくなってミスしてしまいました。
恐らく犬はその作業を遂行できなかったことで、ミスをしたことに気づいたはずです。
その後の課題が始まるたびに、その犬は地面の匂いを嗅ぎ始め、まったくハンドラーの声が耳に入らなくなってしまいました。

ハンドラーの中には、犬が作業中ミスをしてしまったとき、犬を叱責するような口調で再度キューを出す人がいます。
ミスは往々にして遠隔作業で出やすいので、ついつい声が張りがちになりますが、あきらかに犬に圧をかけていると見える状況もあります。

この時のハンドラーは特にそのような態度ではありませんでしたが、無言の圧は知らず知らずにかかっていたように見えます。
なぜなら、普段はちゃんと出来ている犬だからです。

明らかにそのレベルに達していなければ、ハンドラーも犬エラーを寛大に受け止めますが、いつもは出来ているのにと思うとついつい声が大きくなってしまうこともあるようです。

幸いFCIオビディエンス競技では、ハンドラーの犬に対する態度も評価ポイントとなっているので、みなさんとても寛大に受け止めていらっしゃいます。
私の場合は、見習いがエラーを出すたびに、笑うっきゃない状態ですが、見習いは見習いなりに、ミスを感じていることは確かです。

いずれにしても、匂い嗅ぎは犬が楽しんでいるときだけではないことを知っておきましょう。
尻尾が下がったり、体がこわばったりして、目的も無く地面に鼻をつけているようなとき、オヤツを見せても食べない時などは、知らないうちにストレスを感じているかもしれません。

さて、今日のプライベートレッスンは、犬が苦手なLさんの公園レッスン。
日々、他の犬は気にしなくていいんだよと伝え続けてきたことで、他犬が視界に入っても吠える回数は激減し、今日のレッスン中(1時間)は一度も吠えることなく、犬飼いの聖地のような公園の中を楽しく歩くことができました。

最後にドッグランの横でちょっと止まってみたところ、Lさんドッグランから視線をはずしていました。

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見たくないものは無理して見なくていいんですよ。

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