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2021年10月12日 (火)

犬のエラーへの対処

人は失敗から学びますが、犬は失敗を重ねても学べません。
なぜなら、失敗に対してハンドラーがネガティブなことを言わないからです。
だったらネガティブなことを言えと言われそうですが、人がお願いして犬に行動してもらっている場合、その失敗の原因が、犬にきちんと教えてなかったことが原因であるとすれば、ネガティブなことは犬にとって「意味がわからない」だけで終わってしまい、その次には決して繋がらないからです。

犬がエラーを出した(失敗した)場合、犬にはメリットがありませんが、デメリットもありません。
この場合エラーに対するデメリットが無いというのは人から受けるデメリットの話です。
つまり罰を受けることはないということです。

しかし、犬も生きていればいろいろな場面に遭遇するわけで、例えばAという犬に近づいたら噛まれそうになったとなれば、次からはAには近づかないようにしようと学びます。
ハウスから無理矢理抜け出そうとして痛い思いをすれば、次からはドアが完全に開くまで待とうと学習します。
ここで重要なのは、ネガティブなことが飼い主やハンドラーによって行われたことが無いということです。
だからと言って、天罰方式で、吠えている犬の傍に大きな音がする物を投げつけたりしないでくださいね。
将来的に「音響シャイ」などの弊害が出る可能性があります。

いずれにしても、犬は教えられたことに対してエラーを出してしまった場合、ハンドラーは直接的な罰を犬に与えるのではなく、どちらかというと楽しいことが終わってしまうという方法を取ることで、今やったことはちょっと違うということを犬に伝えていくことが有効と言われています。
以前にも書いていますが、エラーが重なるようであれば、犬がまだ理解できていないということなので、再度教える必要があります。

オビディエンス(服従訓練)などの基礎トレーニングにおいては、常に犬に好ましい行動を伝え続けていくわけですが、一朝一夕にできるようになるものではありません。
成功体験のみに報酬を出す(メリットがある)ことで、犬は成功体験を重ねていこうとし、その結果行動は学習され身について行きますが時間がかかります。

その間に犬はエラーを出すことがあります。
そのとき、「違うよ。」と指摘するべきか、「もう一度教えた方がいいな。」と思うか、あるいは、「不可抗力だったな」と思うかはハンドラーの観察眼次第。

日々の観察は欠かせませんね。

先日練習中、ダンベルを拾ってハードルを跳ぼうとしたら、勢い余ってダンベルをはじいてしまい、結果ハードルを通り越し跳べなくなりました。
彼にかけた声は「ざんね~ん♪」
怖い顔をして叱れば、ダンベルを咥えて戻ったことを否定されたように思うでしょう。
次につなげるためには、やる気(意欲)を落とさないこと。
咥えて戻ったけど、おもちゃやオヤツは出なかったので、何かやらかしたらしいとは本犬も気づいたことでしょう。

犬育ては時間がかかります。
たとえプロの預けたからと言って、一か月やそこいらで完璧な犬にはなるわけではないことを知っておく必要がありますね。

ダンベルと障害の完成形は
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