ドッグトレーニング:未だに根強いリーダー論
昨今の犬のトレーニングは、「正の強化」と言われる手法で、犬の学習を手助けすしながら行われることが一般的になっています。
それは、何をして欲しいのか、犬にわかりやすく伝えていく方法で、やって欲しくないことに対して罰を与える手法ではありません。
なぜなら、犬は与えられた罰が何を意味しているのか分からないため、正解が出すことが出来ず、いつまでたっても学習が進まないからです。
しかし、以前の訓練法は、強制訓練と言われる、いわゆる力による訓練方法でした。
犬が間違った行動をすれば、大きな声で圧をかけて罰を与える。
例えば、トイレのスペースでトイレが出来なかった犬を捕まえて、「イケナイ!」と言いながら、粗相の上に犬の鼻を押し付けるという躾法。
この方法では、犬がトイレの場所を間違えてしまったことを叱られたとわかるかと言えば、答えは「否」。
人間でも、おそらくわからないでしょう。
この方法では、犬は排泄行為を叱られたと理解し、以後、人が見ている前ではトイレをしなくなり、隠れてするようになったという話はよく聞きます。
こういった躾方法は、ある意味犬を服従させるための手法でした。
なぜ服従させなければいけないのか。
そこには、リーダー論という背景があります。
人間は犬のリーダーでなければいけない。
犬の祖先はオオカミで、オオカミはパックの中に必ずリーダーがいて、下位のものはリーダーの言うことを聞く。
というもの。
しかし、すでにオオカミ=リーダー論という考え方は間違っていることが証明されているようです。
いずれにしても、犬が人を順位付けするとか、リーダーの言うことしか聞かないというのは大いなる間違いと言えます。
犬は、わかりやすく伝えてくれる人間の話を聴き、信頼します。
一番力がある人だからではありません。
以前問題行動の解決のためにお伺いしたとき、愛犬がご家族全員を咬むようになった原因をお聞きしたら、獣医さんから甘噛みが強くなったらリードを吊り上げて、誰が一番強いのかわからせてやってくださいと言われたので、その通りにやったとおっしゃっていました。
獣医さんは医師としてはプロでも、トレーナーとしてはプロではありません。
是非、トレーニングや犬の行動に関する情報をアップデートしているプロの話を聴いてください。
そもそも、バカな犬はいません。
犬はちゃんと学習しています。
何を学習するかは、学習の場を提供する人間側の問題です。
どうぞ、その個体をよく観てください。
犬の方が人間をよく観察しているので、人間の教え方が間違っていれば、間違ったことを学習してしまう可能性もあります。
是非、犬を責めたり、力で押さえつけることなく、進むべき道をわかりやすく示してあげましょう。
今朝目が覚めたら、ベッドの上で寝ていた見習い。
いつもは途中で降りてクレートに入って寝ているのですが、昨日はエアコンが効きすぎたかな。
犬と一緒に寝ているなんて(衛生上の問題は別として)、リーダー論者に言わせたら、きっとバカにされている飼い主に違いありませんね。
小型犬は、蹴っ飛ばしてしまうかもしれないので、注意してくださいね。
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