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2021年7月 3日 (土)

リアクティブにさせないためには。

「リアクティブ」という言葉は犬の行動を評価する時よく使われます。
辞書では「反応性が高い」と書かれています。

外的刺激に対し、興奮してり吠えたり、場合によっては攻撃するような犬のことを「リアクティブ」とひとまとめにしてしまうことがありますが、興奮すること自体は、攻撃的になることばかりではありません。
中には嬉しくて大興奮し吠えてしまう場合もありますし、中には怖くて「こっちに来るな!」とわめいている場合もあります。

例えば、嬉しくて吠えながら向かっていく犬。
本犬は全く悪気はなかったとしても、向かってこられた犬がみんな大歓迎するとは限りません。
二頭が接触した場合、ハッピーエンドにならないこともあるわけです。

当然、犬を見れば攻撃を仕掛けたくなる犬もゼロではありません。

怖いと思って吠えている犬に「大丈夫だ」と言って無理やり他の犬に近づけようとすれば、窮鼠猫を噛む状態にならないとも限りません。
相手も、大人しく噛まれているとは思えないので、お互いが嫌な経験をしてしまうことになります。

では、リアクティブな犬たちにはどう対処すればいいのでしょうか。

喜んで大興奮している犬の場合は、セルフコントロールを教えていきます。
怖いと思って警戒している犬より、喜んでいいる犬の方が、しばらくたてば興奮がおさまるからです。
落ち着けば、行きたい方向に迎えることを学習させます。
この場合、行きたい方向に向かうことが報酬となるわけです。

攻撃的な犬に関しては、個々の犬によって対処法が変わるので、今回は触れませんが、怖くて吠えている場合は、一度刺激の対象物から距離を取って、どれくらい距離をとれば落ち着いていられるのかを検証します。

その後、犬に選択肢を与えつつ、「おいで」のサインで犬を刺激から離すことを繰り返しながら、犬は何も怖い経験をしないことを学習させていくのです。

どちらの場合でも、すぐに治るわけではありません。
犬が学ぶ時間を与える必要があるからです。

さて、先日見習いとの練習が終わって、私が肩のリハビリでディスクを投げていた時、そばを同じ犬種を連れた方が通りかかりました。
たまたま同じ犬種と言うこともあり、挨拶をさせたかったのか、こちらに近づいていらっしゃいました。

見習いは、私から離れた場所で「マテ」の状態です。

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聞けば、その方の連れている犬は若いオスとのこと。
あいにく見習いは、初対面のオス犬が苦手です。
生徒さんの場合は、生徒さんにもきちんとお伝えてしているので、お互い距離を取ったり、何かの場合は呼び寄せることで、緊張させないようにし、回を重ねるごとに馴れていってもらいます。

近寄っていらした方は、見習いを見て、「ちゃんと待っていてお利口さんですね。」とおっしゃってくれました。
ちゃんと待っていなければ、本犬も嫌な思いをしてしまうので、私は重ねて待つようにいいました。
距離は20メートルほど。
これぐらいあれば、十分リアクティブにならずにいられます。

そして、声をかけて下さった方には、丁寧に見習いとの挨拶を遠慮させていただきました。

見習いも叱られることなく、相手の犬も嫌な思いをすることなく、平和な時間が過ぎました。

アシスタントだと、まったくこういう気遣いはいらないんですけどねぇ。

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