トリーツ(おやつ)が逆効果になっていませんか?
「正の強化」トレーニングにおいては、犬が好ましい(正しい)行動を取ったことを褒めて、報酬としてトリーツを与えます。
その際、クリッカーや言葉のサインで「合ってるよ!」と伝えていきますが、報酬は必ず与えることで、その行動を強化し、好ましい行動が出やすくしていきます。
そのとき、報酬となるトリーツをどこに置いておくかと言うのが、トレーニングにおいては重要なカギとなります。
例えば、全く新しい行動を教えるときに、ルアーのように、犬の鼻先にトリーツを見せて、行動を引き出す場合、当然犬に見えるところにオヤツなどのトリーツを見せておくわけですが、そのオヤツを見せたままいつまでも犬を引っ張りまわしていれば、賢い犬は「な~んだ、もらえないのか。」とストレスになり、一気にテンションは下がってしまいます。
つまり、新しい行動であれば、犬の気持ちがそれないように、短いステップで犬を褒めてトリーツを渡すことが必要になります。
一つの行動に体が馴れてくれば、目の前にトリーツを見せなくても(手の中に握っていたり、トリーツポーチに入れておく)、ハンドシグナルやハンドターゲットを使いながら犬の行動をサポートし、上手に出来たところで報酬のトリーツを渡すというように、トリーツの使い方も移行していきます。
その場合でも、なかなか褒めてもらえなければ、犬の集中は持続しないので、短いスパンで褒めるのは同じです。
そのような工程を踏みながら、次第に目の前からトリーツを見えなくしていくことで、最終的にはトリーツ(オヤツ)が目の前に無くても、「出来る犬」になっていくのですが、どうしてもハンドラー側が、「出来なかったらどうしよう」というような不安から、犬の目の前にトリーツ(オヤツ)を見せて、「やりなさい。」と言った方向に行ってしまうため、いつまで経っても、トリーツが目の前に無いと出来ない犬から卒業出来ないということがよくあります。
また、目の前にトリーツがあることで、ある意味犬の思考はトリーツの方に行ってしまい、興奮してハンドラーの言っている言葉が耳に入らなくなることもあります。
そのためにも、犬の視界から一度トリーツを隠すということも重要なポイントになってくるわけです。
「オヤツがあればなんでもできる。」という間違ったレッテルを愛犬に貼ることなく、「ウチの犬は言われたことはちゃんとやるから、ご褒美をあげるのよ。」と言えるようになりませんか。
食いしん坊で有名(?)なアシスタントも、目の前にトリーツは無くても、仕事をすればご褒美が出ると思えば、いろいろ頑張ってくれます。
逆に目の前に見せてしまえば、冷静さを欠いて、仕事にならなくなることもあります。
トリーツの出し方、使い方、ちょっと見直して見ませんか?
今日のプライベートレッスンのF君。
飼い主さんと一緒に並んで歩く練習を、ディストラクションの多い場所で行いました。
当然、目の前にトリーツがある段階ですが、ずっと目の前に見せているのではなく、出来たらあげるということも混ぜていきます。
飼い主さんと目が合えばそれだけでも褒められるF君。
一緒に歩くこともきちんと教えてあげないとできませんね。
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