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2021年6月 6日 (日)

「厳しいしつけ」ってなんでしょう。

一般的には「しつけ教室」という言葉があるように、犬のトレーニングにおいても「しつけ」と言う言葉はよく使われているようです。

確かに、人間社会で生きていくための「作法」(マナー)を教えるという意味では「しつけ」と言う言葉も間違ってはいないと思いますが、個人的にはあまり犬の場合は使いたくないことばでもあります。
なぜなら、「しつけ」と言う言葉には、上の者が下の者を思い通りに従わせるというイメージがあるからです。

さらに、「厳しくしつける」となると、ますます意味が分からなくなります。

先日あるクライアントさんから、知り合いの犬が非常にリアクティブなので、トレーナーに、「厳しくしつけた方がいい」と言われたそうです。

リアクティブ。つまり反応性が高い犬ということです。
すぐに頭がいっぱいになってしまったり、環境の変化への順応性が低くて過剰に反応してしまったり、どちらかというと冷静さを身につけさせてあげたい犬に対して、「厳しくしつける」とはどういう意味なのでしょうか。

そういう犬ならばなおのこと、噛んで含んで言い聞かせるように、良い行動を学習させていく必要があるのではないでしょうか。

過剰に反応してしまったその犬は、飼い主に隅っこ連れていかれてぶたれていたそうです。

怖くて過剰反応してしまったのかもしれないのに、もっと怖い目に遭わされている犬。
その犬の次の行動を想像すると怖くなりました。

「しつけ」と言う名の「体罰」は容認できません。

関係性が出来ている犬に対して、多少口調がきつくなったとしても、犬は「?間違えたか?」程度の反応で済みます。
もちろん、口調がきついだけでも十分犬には「圧」がかかっています。

しかし、生後7か月。
まだまだこれから多くのことを飼主さんから学んでいかなくてはいけない時期に、飼い主が力に物を言わせ続けていたら、犬は何を学ぶことが出来るのでしょう。

痛いから、止める?
しかし、飼い主の手が届かなければ、痛いことは起きないことを学んだ犬は、どんどん飼い主から距離を取るようになっていったり、あるいは、痛い思いをされないように防御に出るでしょう。

犬にマナーや新たな行動を教えることは、上から命令することではなく、犬がその行動の意味を理解しやすく導くことです。
出来ないからと言って体罰を与えるのではなく、きちんと伝えられなかった人間側の過失を反省すべきですね。

202106061
※飼い主の膝枕で無防備に寝るわが家の見習い。
主従関係は必要ありません。

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