どういうときに叱りますか?
「褒めるしつけ」が浸透してかなり経ちますが、一方で、「褒めるだけじゃなく、ちゃんと叱らないといけない。」という人がいます。
また、「褒めるしつけ」を、犬が悪いことをしても褒めたり、放置したりするトレーニングと誤解し、「褒めるしつけは意味がない」と言う人もいます。
どちらも、「褒めるしつけ(トレーニング)」の意味を正しく理解していないことによる意見です。
「褒める」というのは、犬が好ましい行動を取っているときに、「それで合っているよ。」と伝ることで、犬がその行動がとりやすくなるという学習理論をもとに推奨されています。
間違った行動に対して褒めているわけではありません。
では、間違ったときはどうするのか。
犬は教えられていない行動は取れないので、当然間違った行動も取ります。
しかし、「間違った」というのは「人間から見て」の解釈であり、犬は間違っているとは思っていません。
そこに必要になってくるのは、「イケナイ!」という圧力ではなく、「そういう行動はとって欲しくないので、代りにこういう行動を取ってくれない?」という提案を伝えていくことです。
もちろん、何度も伝えているにも関わらず、興奮して我を忘れて困った行動を取ってしまうこともあるでしょう。
そんなときは、ちょっと声が大きくなってしまうかもしれません。
しかし、何も教えていないのに、「それはダメだ!」と力で強要しても、犬には伝わらないどころか、痛い思いをしたことで、次は痛い思いをしないようにと、彼らなりの学習をしてしまう可能性が高くなります。
つまり、叱られたことの意味が伝わっていなければ、それは犬にとって単なる虐待に過ぎないということになります。
そもそも、ちゃんと伝えきれていない人間の側に落ち度があるのに、なぜ叱られなければならないのか。
ちょっと理不尽な話ですよね。
かつてリハビリに伺っていた女の子は、飼い主さんが間違った指導を受けたので、甘噛みをするたびに、首を吊り上げられていました。
そこでその犬は飼い主さんの手が動くと吊り上げられないようにするために、手を噛むという行動を身に付けました。
甘噛みへの対処法が間違っていて、犬にきちんと伝わっていなかったことから起こった悲劇です。
犬ぐらいのサイズであれば、人間の力が勝ることもあるでしょうが、動物園にいるような大型の動物に力は使えません。
では、どうやってコミュニケーションを取っていくのか。
人間が試行錯誤して伝える努力をやめてしまったら、コミュニケーションは取れなくなるでしょう。
さて、今日のレッスンはもうすぐ9か月のMさん。
まだまだ怖いものが沢山ありますし、外に出ればマイペースで飼い主さんのことを忘れてしまいがちですが、少しずつ、一緒に散歩することを教えているので、飼い主さんを意識する頻度があがってきました。
散歩が大好きで、ハーネスを付けようとすると大興奮。
落ち着いたらハーネスを付けてあげるよと教えてあげたところ、ちゃんと待てたMさんでした。
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