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2021年5月 4日 (火)

犬の行動:トラウマ

犬も人間同様トラウマを抱えることがあります。
肉体的や精神的にショックを受けてしまった場合、長く尾をひくことがあります。

トラウマを持ってしまうと、その原因と同じことや類似したことが起こりそうになれば、当然予測し、それを回避する行動を取ろうとします。

私の場合は、幹線道路のアンダーパスで渋滞の最後尾にいたとき追突された経験が、何十年経った今でもあり、そのアンダーパスに入ると、ついついバックミラーを見てしまいます。
もちろん、少しずつは薄れては来ていますが、バックミラーを見るという行動はある意味習慣になっています。

犬の場合、ある場所に行くと大きな音がして不快感を感じるとすれば、その場所に通じる道を避けようとします。
電車の踏切や工事現場などが当てはまります。

さて、我が家のアシスタント、ニコルは人が大好きなので、当然獣医さんも大好きです。
しかし、耳掃除で嫌な経験をしてから、病院までは行きますし、待合室も入りますが、待っている間に何度も帰ろうとして出口に向かうようになりました。
その後耳掃除は一回もされていませんが、未だにその病院に行くと、嫌な気持ちになるようです。
もちろん、診察室に入ってしまえば、抵抗することなく、触診等も普通に受けられます。

ところが、別の病院に行くと、耳掃除との関連性が無くなるのか、待合室にいても楽しそうにしていますし、診察室に入っても、帰りたいそぶりは全く見せません。
当然、獣医さんに会っても、普通に挨拶をかわし、触られてもいつもの「撫でてもいいわよ~。」のスタンスで、全く嫌がるそぶりは見せません。
完全に耳掃除の病院とは別と理解しているようです。

一方、見習いの場合も人に対しては低姿勢で挨拶をしに行くタイプで、診察台も楽しそうに乗るのですが、診察モードに入った途端、昔のトラウマがよみがえり、緊張が走ります。
彼の場合は、病院とのリンク付けではなく、どこの病院に行っても、診察モードに入った途端緊張するようです。

物事の受け止め方は個体によって違います。
同じことをされても大して気にしない犬もいますが、見習いの場合は生後4か月からかなり感受性が強かったようです。

子犬の嫌悪感を無視してはいけません。
そして、子犬だからと力で押さえつけることは禁物です。
子犬はいずれ大人になり、力も強くなります。
そして何より、彼らには肉を引き裂き、骨を砕くことができる犬歯を持っているのです。

犬歯を使わないのは信頼関係があればこそ。
無理強いをしなくてもいいように、うまく話し合いが出来るといいですね。

トラウマを持ってしまうと、行動を変えるのはなかなか難しいものです。
そうならないように、早めの対応をお奨めします。
ハズバンダリーケアもそのひとつ。
うちの子は大丈夫。かもしれませんが、いろいろなことがダメになってしまわないように、子犬の頃からケアしてあげると、お互いのストレスは軽減できるでしょう。

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※診察室にいることが緊張感をもたらしているわけではない二頭。

トラウマへの対処法として「馴らす」方法がありますが、やり方を間違えてしまうと、さらに酷い状態になることもあるので、注意が必要です。
いずれにしても、トラウマを作らないようにサポートすることが大事ですね。

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