犬の値段のはなし
こんなタイトルで記事を書くと、どこぞから文句が来そうな気がしますが、敢えて、よくわからない人たちへの知識の一つとして知っておいていただければと思って書くことにしました。
ただし、今あなたの目の前にいる愛犬には当然値段は付けられないものと思ってくださいネ。
では、一般的な話をしましょう。
今は法改正もあって、犬(生き物)を取り扱うにあたっての資格取得が厳しくなっていますが、だからと言って、動物を扱うすべての人がそれらを厳しく厳守しているとは限りませんので、犬を提供される側も、それなりのお勉強をしておくことをお奨めするわけです。
新しい家族として犬を迎え入れる場合、それなりの準備をするのは当然ですよね。
子供が生まれるときと同じです。
子育てに必要な知識を保健婦さん初め多くの人から教えてもらいながらある程度学んで、晴れて親という立場になるわけですから、子犬を迎え入れるときも、犬のことを学んでおくことは大事です。
犬の入手方法の話は以前にも書きましたが、個人ブリーダー、繁殖所、仲介人(ペットショップ含む)、保護団体などがあります。
今回は犬の値段についての話なので、保護団体については触れません。
ネットで犬を探そうとして検索すれば、当然お値段が書かれています。
ネットだけの情報であれば、その犬の種類、生年月日、性別、顔写真、そして価格が掲示されていますが、どんな両親なのかを知るすべはありません。
しかし、ブリーダーのところに行けば、当然母犬を見せてもらえます。
父犬が一緒にいる場合もありますが、別の犬舎の男の子と交配している場合は見られませんが、大概は写真を見せてもらえます。
仲介人の場合には、親犬を持っていないので、見せてもらえないかもしれません。
いずれにしても、形態は様々なので、犬の価格に反映されるものもそれぞれです。
基本的には、純血種の場合は、JKC(ジャパンケネルクラブ)などに登録されていることが多いので、血統書が出されます。
以前にも書きましたが、血統書は犬に箔をつけるためではなく、犬の氏素性を知るために必要なものです。
もちろん登録に際してはお金もかかるので、そういう部分が価格に反映されていることは当然考えられます。
両親犬がなにがしかのチャンピョンであった場合、チャンピョンのタイトルを取るためには、ドッグショーやら訓練競技会やらに出陳せざるを得ず、その出陳費用もバカにはなりません。
ショーのハンドリングを依頼する場合は、ハンドリング料がかかります。
トレーニングのチャンピョンにするには、訓練士(トレーナー)を付けたり、自分も習わなければいけません。
お金がかかりますよね。
血統書の犬名のところにCHというものが入っていれば、何かのチャンピョンタイトルを持っているので、その犬にかなりの投資をしていることがわかります。
しかし、両親および親戚犬にCHが入っていない場合は、そのようなものにお金をかけていないことになります。
犬の価格に反映されているのはそういった箔だけではありません。
母犬の健康維持費、子犬の養育費(食費、ワクチン、ペットシーツ等)、日々のお世話、などなど多くのものが反映されています。
特に両親犬の健康に関しては、遺伝性疾患等の検査費用もバカになりません。
逆に、そのような健康面でのケアをしていなければ、プロのブリーダーとは言えません。
父犬が自己所有でなければ、交配料もかかります。
父犬がチャンピョン犬であれば、交配料もバカにならない可能性があります。
しかし、一般的にドッグショーやトレーニングなどでチャンピョンタイトルを持っていない犬は家庭犬なので、多額の交配料を取ることはありません。
母犬の方も家庭犬の場合は、かかった実費に手間賃を上乗せするくらいでしょう。
※交配料の代りに「子返し」といって、生まれた子犬の一番いい子をもらうという方法もあります。
ただ、犬の繁殖を生業としている者の場合は、当然利益が出ないと生活できません。
そのうえ、命を預かることはとてもリスキーです。
そうなると、子犬にかかる価格は相場があってないようなもの。
繁殖を生業とせず、その犬種のことが本当に好きでいい犬を残すために繁殖にこだわっている人は、法外な金額は請求しませんが、見えないところで投資している場合もあります。
海外から土台になる犬をいれるような場合がそうです。
犬の代金だけでなく、犬の輸送費もかかってきます。
つまり、犬の価格はその犬の素性によってさまざまです。
しかし「高い」からいい犬とは限りません。
スタンダードを逸脱しているにもかかわらず、かつまたチャンピョンタイトルを所持していないのに、人気の犬種だから、人気の色だからと、犬の健康状態を無視して価格をあげている業者もいます。
犬たちが悪いのではありませんが、これから先10年以上共に暮らしていく家族ですから、ある程度勉強してから迎えることも必要ですね。
この前見たネットの広告。
「今なら半額」
それってどういうことでしょう。
その犬の価値は今だろうが、これからだろうが、変わらないはずなのに。
犬を商品ではなく、「命」として扱っているブリーダー(販売者)を探しましょう。
もちろん、迎え入れた犬に罪はないので、どんなところから来たとしても、その命は価格に関係なく大事にしていかなければいけませんね。
余談ですが、以前我が家でボーダー・コリーを繁殖したときのこと。
お父さん犬はチャンピョン犬でしたので、当然交配料がかかりましたが、実際にかかった費用ということで、10万~15万で提示したところ、とある希望者から、「そんなに高いならペットショップに行くからいらない。」と言われました。
もちろん、こちらからもお断りさせていただきました。
当時某繁殖所ではチャンピョンタイトルのないボーダー・コリーが一頭30万以上で販売されていました。
価格ってなんなでしょうね。
とりとめのない話になってしまいましたが、純血種を迎え入れたときは、是非血統書もみてみてください。
その子の両親のことも書かれています。
被毛の色も載っています。
犬を購入した時の書類の一枚としてしまいこむことなく、一度目を通して見てくださいネ。
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