犬との生活:犬は人をみる
「犬は人をみる。」とよく言われます。
つまり、「犬は人によって態度を変える」ということです。
そして、どちらかというとその意味は「相手によってバカにする(言うことを聞かない)。」といったような良くない意味に使われることが多いものです。
犬は本当に人をバカにしているのでしょうか。
人間も含め、たいていの生き物は自分の都合の良いように行動しようとします。
何も教えられていないのに、いばらの道を歩く生き物はあまりいないのではないでしょうか。
つまり、自分にとって利益のあることを優先していきます。
犬の場合であれば、
「面白そうなものがあるから見に行こう。」
「美味しそうなものがあるから食べてみよう。」
「楽しそうだから咥えて引っ張ってみよう。」
などなど。
しかし、人間の場合は「人の道はこうあるべき」といったルールを親や周囲から教えられることで、時には自分を犠牲にしたり、相手のためにと思って行動するので全てが自分勝手な行動にはならないものです。
犬も同様で、「こうした方がいいよ。」「こうした方が嬉しいなぁ。」と言うことを日々教えていくので、犬のみにメリットが生まれる行動ばかりではなく、人とのコミュニケーションの中で成長していくことが出来ます。
つまり、相手によって、コミュニケーションの仕方が変われば、当然行動も変わってくることになります。
きちんと教えた犬が、相手によって態度を変える場合、その人の言っている意味が上手く伝わっていなかったり、あるいは、その人の言っていることに一貫性がなく、混乱していることが考えられます。
そこで、家族の中でも伝え方がそれぞれ変われば、「パパの言うことは聞くのに、ママの言うことは聞かない。」という現象も出てくるわけです。
理屈ではなく、犬は人間の言葉だけでなく、全ての景色を見ながら判断するからです。
さて、今日のプライベートレッスンは、いつもはパパとのお散歩レッスンですが、ママにも参加していただくことになりました。
日常的にはパパとしかお散歩には行かれないので、ママはお一人でMさんを連れてでることはほとんどありませんが、将来的に何が起こるかはわかりません。
Mさんとのお散歩がスムースに行くように、どうやったら話がうまく伝わるか練習していただくことにしました。
Mさん、引っ張りも無く、上手に歩いていますが、やはり不慣れなせいか、周囲が気になって、自分の行きたい方向にママを引っ張っていきがち。
ママも引っ張られてついて行きます。
しかし、いつもMさんの行きたい方向に行かれるとは限りませんので、時には止まって「こっちに行くよ。」と伝えてあげることも大事。
さらに、Mさん暇になるとママの靴を噛んで遊んでしまいます。
そこでママが足をどけようと動けばますます興奮して靴を脱がせてしまうそうです。
それはとても楽しいゲームですよね。
しかし、外のお散歩で靴を脱がされては先には進めません。
「かわいい。」行動ではありますが、あまりやって欲しくない行動とも言えます。
今日も途中からママの靴がターゲットに。
そういうときは、動かないで少し待っていただくことに。
Mさんにとっては、動くものがターゲットなので、別にママの靴でなくてもいいのですが、ママの「イヤだ。」という意思表示がちゃんと伝わっていないので、繰り返してしまうようです。
動かないことを繰り返していたら、つらまなくなったMさん、噛むのをやめました。
当然一日で納得できたかどうかはわからないので、また同じ行動が出たら、一貫して同じように対応していきます。
犬とのコミュニケーションの取り方は人それぞれではありますが、大事なのはこちらの意図がちゃんと伝わったかどうか。
相手によって態度を変えると言うより、きちんと伝わっていないことで、やって欲しくない行動を止められないのかもしれません。。
「舐められている」とか「バカにされている」と言う前に、相手にきちんと伝わるよう家族みんなが一貫した行動を取ることも大事ですね。
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