ドッグトレーニングは押し付けるのではなく、やりたい気持ちにさせる
犬のトレーニングは、昔は押したり、リードを引っ張ったりといった、ある意味力によるものが多かったのですが、昨今のトレーニング法は、人間が力を加えるのではなく、犬が自ら動いて取った行動を褒めることでその行動を強化し、頻繁に行動が出るように導く方法が多く取られています。
例えば、お尻を押して「オスワリ」を教えるのではなく、犬のお尻が自然に下がるように、犬の目線をあげるといった方法によって、犬が自発的に座ったことを褒めていくというようなことです。
犬は誰にも押されたり引っ張られたりしないので、ストレスを感じることなく、かつご褒美がもらえることでトレーニングを楽しめるようになります。
トレーニングを楽しむことは、言い換えれば、ハンドラー(飼い主さん)との関わりを楽しむこと。
かつて、悪戯ばかりして怒られる時にしか名前を呼ばれなかった犬の生活が、褒めらるときや、いいことがあるときに名前が呼ばれる生活になると、自分の名前に対して良いイメージが刷り込まれ、ますますハンドラーと何かする時間が楽しみになってくるわけです。
つまり、ドッグトレーニングは、厳しい「しつけ」ではなく、楽しい「ゲーム」でなければ続かないということです。
行動を引き出すときには、犬にとって嬉しいものをを「モチベーター」として使います。
先代のボーダーコリーたちをトレーニングしていた時は、私はテニスを楽しんでいたので、もっぱら試合に使えなくなったテニスボールがモチベーターでした。
今はおもちゃだけでなく、トリーツ(おやつ)なども使っています。
要は、犬にとって嬉しいものでなければモチベーターにはなりません。
プライベートレッスンのLさんはオヤツは嫌いではありませんが、ウチのアシスタントのように、「オヤツ命」ではありません。
つまり、オヤツを見せても、「だから?」というときがあります。
これではモチベーターにはなりませんね。
もちろん、オヤツのグレードを変えることや、オヤツのデリバリーの方法を変えることで、多少はモチベーションがあがることもありますが、それにも限界があります。
しかしLさんには、オヤツ同様好きな物がありました。
おもちゃです。
レッスンの後半、オヤツの価値が落ちてきたときは、おもちゃを使います。
「オスワリ」はすぐに出来るように習慣になりましたが、「フセ」がちょっと苦手なLさん。
先日のレッスンでは、おもちゃをモチベーターに練習してみました。
「フセ」が理解出来て、習慣になるまではまだ少し時間がかかりますが、モチベーターがあることで、「フセ」しやすくなってくれるのであれば、どんどん使います。
もちろん、上手に出来たらモチベーターで遊ぶことを忘れてはいけません。
「見せるだけ」では、いずれその価値は失せてしまいます。
これはトリーツ(オヤツ)でも同じです。
「見せれば何でもしてくれる。」と犬を侮っていると、そのうち見せてもやらなくなります。
なぜなら、ご褒美としてすぐにもらえないことを犬は学習してしまったからです。
賢い犬ほどすぐにその違いを感じ取ります。
愛犬とのトレーニングは頭脳戦です。
お互い、楽しく知恵比べしていきましょう。
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