マズルガードのはなし
マズルガードとは、犬の口(マズル)にプロテクターのように覆う物のことをいいます。
マズルガードを装着する理由としては、
1.噛みつかせない。
2.拾い食い防止
3.吠えの制御
などがありますが、利用目的によってマズルガードの形態は若干変わってきます。
今回お話しするマズルガードは1番の「噛みつかせない」ためのマズルガードです。
噛みつかせないためのマズルガードは一見いかつい感じなので、これを着けていると、狂暴な犬と見られそうですが、噛みつく行為は、犬にとっては「攻撃」と「防御」の現われなので、実はとても弱虫な犬であることもあります。
いずれにしても、噛まなければいけない状況は作りたくはありませんが、万が一を想定することはハンドラーの義務です。
ただし、もともと怖がりの場合、マズルガードを着けることすら難しい場合もあるので、まずはハズバンダリーケアトレーニングとして、マズルを着ける練習から始める必要があります。
以下は見習いのマズルガード装着の練習を、すでに教えてある、顎を何かに乗せるという行動(「あご」と言うキューで顎を乗せる)と合わせて行いました。
これは、獣医師などが体を触るときに、犬に不安を与えないためのケアとしても有効です。
マズル装着に対しては問題ないところまでの練習は出来ていますが、見習は子犬の頃のトラウマで、獣医さんがとても苦手です。
人は大好きなので、自分から寄っていったり、撫でてもらうことも気にしませんし、診察台にも自分からアシスタントを押しのけてでも乗りたいタイプです。
ところが、いざ「診察」が始まると豹変してしまいます。
そこで、なるべく獣医さんの門は叩かないように、ワクチンも抗体検査をするなどして訪問回数を減らしていますが、体調が悪い時はそうはいきません。
昨日、診察室の広めな獣医さんを訪ねました。
診察室の広さは重要なポイントです。
狭い場所で、獣医師との距離が限られてしまうと逃げ場が無くなってしまうからです。
見習いはマズルガードを装着していきました。
この場合のマズルガードは「噛ませない」ためのものなので、口を開いても直接何かを噛むことは出来ません。
しかし、口を開けて息をしたり、トリーツを食べることは出来ます。
到着時はへらへらしながら、リラックスしている見習い。
診察室に院長先生が入っていらしたときも、尻尾を振りながら挨拶に行くほどリラックスしていました。
診察台で話をしているときも問題なし。
診察が始まった時も、今回はあまり緊張感が見られませんでした。
トラウマを持ってしまってからは、診察室での初めての体験です。
先生に触診されているときも大きな緊張は見られませんでしたが、先生が一度離れて再度確認されようとしたとき、患部が眼だったこともあり、「もうヤダ」という意思表示が出ました。
そこで、一度診察台から降ろして、好きにさせたところ、落ち着いてそばで話を聞くことが出来ました。
以前は、一度興奮すると、吠えが始まって落ち着くまで時間がかかっていたので、著しい変化です。
診察台の高さが低いのもリラックスできるひとつの要素でもあります。
降りたければ自分から下りることを気軽に選択できるからです。
無理にストレスをかける必要はありません。
マズルガードが付いていても、私に問題なく触らせてくれています。
ということで、再確認はスマホで患部を撮影し、拡大して診ることに。
診察が終わった後は、目薬を持ってきてくれた若い女性の看護師さんにデレデレ。
目薬も素直に私に点けさせ、無事診察を終えることが出来ました。
少しずつトラウマが減っていくようにサポートしていくことが大事ですね。
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