ドッグトレーニング:犬に正しく教えるには時間がかかります
犬の学習能力について昨日書きました。
犬は観察能力が優れているので、犬同士でも多くのことを学び、人間の行動も逐一見張っているときがあります。
これらは、言わば勝手に学習していることですが、犬がある行動を頻繁に繰り返す場合は、それが犬にとってなんらかのメリットをもたらしている可能性が高いと思われます。
例えば、跳びつき行動。
子犬の頃はまったく問題とは感じていないことから、跳びついてくれば「かわいい!」と反応し、抱っこしたり、相手をしていることで、子犬は跳びつくといいことがあると勝手に学習していきます。
ところが、体が大きくなってくると、跳びつき行動は笑って済まされない問題です。
大型犬で、30キロ、40キロを超えた場合、小さい子供や高齢者への跳びつきはとても危険です。
成犬になったから、急にダメと言われても、犬にとっては理解しがたいものです。
しかし、小さいころから、跳びついてもメリットが無いことを教えておいてあげれば、自然と跳びつき行動は減っていきます。
これも学習ですね。
これらの学習は、その行動の頻度が高ければ当然身につくのは速くなりますし、たまにしか起こらない行動であれば、なかなか身につかないものです。
人間も、普段通っているルートは地図が無くても行かれますが、たまにしか訪れない場所であれば、当然ナビが頼りになることもあるでしょう。
つまり、早く覚えて欲しいことは、頻繁にその練習を繰り返す必要があります。
例としては、インターホンに対する吠えなどの興奮。
インターホンが鳴るたびに、家族が立ち上がって玄関に行ったり、知らない人が玄関から顔を出す状況は、フレンドリーな犬であろうと、警戒心が強い犬であろうと、興奮することには変わりありません。
そこで、よく知られている方法は、インターホンを誰かに頻繁に鳴らしてもらい、何事も起きないことを繰り返すことで、インターホンがただのBGMのようなものにしてしまうというのがあります。
誰も鳴らしてくれる人がいないときは、スマートフォンなどに録音して聞かせるという方法もありますが、音のなる場所まで細かく確認している犬はその違いを理解して反応しない可能性もあります。
もちろん、インターホンが鳴ったら、美味しいオヤツをハウスに投げ入れ、食べに行っている間に興奮の原因が取り去られるという方法もあります。
この場合は、いつもしつこく言っているハウストレーニングが出来ていないと難しいかも知れません。
いずれにしても、犬が学習するには時間がかかり、行動は何度も繰り返して教える必要があります。
突然出来たのを見て、「うちの子天才」と喜んでいると、大事な時にやってくれなかったりします。
出来るようになった後も、いつも繰り返して、学んだことを忘れないようにサポートしてあげることが大事なポイントです。
しばらく練習が出来ていなかった見習いの遠隔作業。
久しぶりに練習したら、「え~っ?」という結果に。
真っすぐ走れない病がまた出てしまいました。
犬が悪いのではありませんね。
忘れないように、日々リマインドしてやらなかったハンドラーの問題です。
反省しきりです。
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