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2021年2月 3日 (水)

犬のトレーニング:ガツンとやる必要ありますか?

日々の生活の中で自由度が増している犬、つまり要求すればすべてが叶うと確信している犬の場合、要求が満たされないときにストレスが溜まって、いわゆる問題行動と言われる行動を取ることがあります。

このような状況は特に犬が悪いわけではなく、ただそういうことを学習してしまっただけです。
出来るなら、そうなる前に、それに代わる行動を教えていくことで、ある程度お互いのストレスを軽減させることは可能です。
つまり人間側の努力次第で、問題行動と言われる行動を取らせないようにすることが出来ます。

しかし、問題行動が出てしまうと、「図に乗っているから一回ガツンとやらなきゃいけない。」と言う人がいます。
「ガツン」ってなんでしょう。
これだけ聞くと、何やら体罰めいて聞こえ、恐らく体罰だと思い込んでやってしまう人もいるでしょう。
しかし体罰では解決できませんし、個体によっては「反撃」という手段に出る場合もあります。
一度反撃することで自分の身が守れると学習してしまうと、その行動は日常的に頻発するようになり、飼い主とのコミュニケーションはますます取りづらくなるのでおすすめできません。

ガツンとやられてシュンとなる場合は、ガツンとした人を恐れるようになり、表面的には言うことを聞いていますが、その人がいなければやらないということはよくあります。
例えば預託訓練などで、訓練所に預けたとき、訓練所ではちゃんとやるのに、家に帰ってきたら全く何もやらないという場合。
飼い主さんにきちんと接し方をお伝えしきれず、犬が混乱して出来ないケースもあるでしょうが、ある意味怖い人がそばに居ないからやらないというケースもあります。

そんな意味合いもあって、預託よりご自身が犬と一緒に通ってトレーニング方法を学んだ方が正しく犬に伝えることができるので、個人的にはそちらをおすすめしています。

いずれにしても、「ガツン」ではなく、「はっきり」伝えることが必要な場合はあります。
「これくらいならまぁいいか。」とか、「ママはいいって言ってるけど、パパはダメだって言ってる。」のようにダブルスタンダードになっていると、子犬や若い犬は混乱してしまいます。
それで理解できていないことを責められるのは犬にとっては理不尽ですね。

「ダメなことはダメ」ときちんと伝える必要もあります。
しかし、それは体罰ではなく、やって欲しくない行動ではない行動を取ったことを強化していく(褒めることで、その行動を取りやすくする)方法です。
これによって犬の行動を変容させることは可能です。
時間はかかりますが、何度も根気よく繰り返していくことで犬は強化された行動を取りやすくなり、それが習慣となっていきます。

「力」で封じ込めようとして悪化した例を沢山見ています。
是非、ちょっと相互理解が難しい年ごろになってきたら、力ではなくどうやったら伝わるだろうかちょっと考えてみてください。
難しければ、プロが沢山いますので、聞いてみてもいいでしょう。

特に、放棄された犬たちの中には、何かしら人間にとって好ましくない行動を取る犬がいます。
それはすでに学習されてしまっているので、そこから行動を変えていくのは多少時間がかかります。

ちょっと前から言われている「褒める」トレーニングとは、叱らないで褒めるだけで、何をやってもいいと勘違いされているようですが、そうではありません。

良い行動に対して褒めますが、好ましくない行動は、それに代わる良い行動に導くというプラスアルファがなければ意味をなしません。
良い行動を見つけて導くのは人間の仕事。
ガツンとやってもお利口にはなりませんよ。

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甘噛み大好きなNちゃんには、お気に入りのおもちゃを代わりに噛んだり追いかけたりしてもらいました。

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