ドッグトレーニング:その情報古くありませんか?
犬を新しく迎える方法は様々ですが、入手後多くの疑問に答えてくれる人が身近にいるとは限りません。
すると、本やネットの情報を参考にすることなります。
もちろん、最初からプロに相談される人もいます。
いずれにしても、多くの情報が溢れている中、どの情報が最新のものか、正しいのかを判断するのは極めて難しいと言ってもいいでしょう。
特に、犬のしつけ本なるものをを読んでみると、以前はトイレの失敗に「犬の鼻を床にこすり付けて叱る」という方法が当たり前のように言われていました。
恐らくその方法でうまく行ったケースもあるかもしれませんが、現在は「犬をしつける」というより「犬に教える」という観点から、犬は鼻を床にこすり付けられても何も学ばないことがわかってきているので、その方法はほぼ意味が無くなっています。
なぜなら、鼻を床にこすり付けられて犬が感じるのは「イヤだな」ということだけで、そこからは何も学べないからです。
嫌なことをされないようにしようと学習することは可能ですが、この場合は、嫌なことをされないように「何をすればいいのか」が全く明瞭でないからです。
人間もそうですが、「嫌なことをする」人の傍には寄りたくありません。
自分がやった行動と、嫌なことがリンク付けられない限り、この方法は意味がないのです。
また「甘噛み防止にはグーを口の中に突っ込む」という躾方法。
「甘噛み」に関しては何度も書いていますが、「甘噛み」は子犬が甘えてチューイングしてくることを言います。
甘えているということは、当然攻撃ではないということです。
しかし、子犬も興奮するとついつい力が入ってしまうこともあります。
痛ければ「痛い」と言って、こちらの不快感を伝えればいいのです。
子犬同士の関わりの中でも、一方的に嫌なことをされれば、やられた方は「キャン」と鳴いてその場を離れます。
何度も何度もやられれば、「やめろよ」と反撃するかもしれませんが、お互い同じレベルです。
人間の力は当然子犬よりも強いので、本気で口にグーを突っ込まれたら、子犬は手に嫌悪感を持つようになります。
気の弱い子であれば、手を出されたら逃げようとするでしょうし、気の強い子であれば、手を突っ込まれる前に噛みつこうとするでしょう。
どちらも弊害しか生みません。
噛みたそうにしていたら、代替品を渡してあげるのも対処法の一つです。
※個人的に甘噛みは許容していますが、本気噛みとの見極めは不可欠です。
先日テレビの報道番組で、「犬のしつけ」と称して、自分の犬を角材で叩いている映像が流れました。
犬は叩かれるたびに鳴いていました。
当然痛かったから悲鳴をあげていたのでしょう。
ここでその犬は何を学んだのでしょうか。
鎖に繋がれ、逃げるすべもなく、反撃すればもっと痛い思いをするからとそれすらも止めてしまったのでしょう。
生きていれば、痛い目に遭うことはあります。
誰がやったわけでもなく、アクシデントで痛い思いをすることが犬にもあります。
それによって、犬は同じことをすればまた痛い思いをする可能性があると学び、その行動を取らなくなります。
例えば、柵を超えようとして足を挟んで痛い思いをすれば、次回からはやらなくなります。
ただし、トラウマになるほどの痛い思いをしないと、なかなかそうはなりません。
アクシデントならまだしも、犬にそんな思いをさせながら、その行動をやめさせようとするでしょうか。
やって欲しくない行動と反対の行動を教えてあげることで、犬は新しい行動を学ぶことも出来るわけです。
確かに時間はかかります。
何事も学習には時間がかかるものです。
人間も根気が必要です。
子育てと一緒ですね。
いろいろな情報が錯そうするなか、自分がこれをやられたら果たしてどうだろうと考えてみると、その方法が犬にとってわかりやすいかどうかわかるでしょう。
犬との生活パターンはその家族ごとに違うので、それぞれの家庭で問題になっていることも異なります。
よそのお宅のやり方が自分の家に合うかどうかはわかりません。
犬も個体差があり、性格も異なります。
その子に合った方法を見つけていきましょう。
余談ですが、ヒールウォーク(ハンドラーの横をハンドラーに付いて歩く)を教えるとき、一緒に歩き始めることを教えるために、トリーツ(オヤツ)を使って誘導することがあります。
犬が大人しいタイプで、動きが激しくなければ、元気よく一歩が踏み出せるように、ちょっと犬の鼻より高い位置にトリーツを見せて動かしたりします。
しかし、元気が良すぎてピョンピョンする犬の場合は、ますます跳びつくようになってしまうので、四本足が地に付く高さで誘導していきます。
その犬に合わせた指導方法が欠かせませんね。
学校の先生はつくづく大変だと思います。
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