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2021年1月 9日 (土)

血統書(血統証明書)の話

今日は「血統書(血統証明書)」について少しお話したいと思います。
今回ここでお話しする「血統書」は、一般的に日本で流通しているJKC(ジャパンケネルクラブ)の血統書についてです。

「ウチは血統書なんてついていないから関係ないわ。」と思っていらっしゃる方。
次回ペットショップなどで、たまたま出会った子犬を迎えるとき、もしかしたら「血統書」というものが付いていたりするかもしれません。
そんなとき、「血統書付き」という言葉だけで満足してしまうのではなく、どういったものなのか、その血統書はどんな役にたつのか。
どういう意味があるのか。などなどの参考になるので是非最後まで読んでみてください。

昨年たまたま「ブリーディング」について書いた記事がありますので、それも合わせて読んでみていただけるとさらにわかりやすいと思います。

「ブリーディングについて」
http://chn.air-nifty.com/dance_with_dogs/2020/07/post-b7cade.html

「血統書付き」と言う言葉だけでは、実際に血統書がついているかどうかはわかりません。
「この犬は血統書付きですよ。」と聞いただけで、安心したり、「すごい犬」と思い込むのは間違っています。
「血統書」が付いているなら、まずそれを見せてもらう必要があります。
「書」というくらいですから、当然のことながら書面になっているからです。

「ブリーディング」の記事にも書きましたが、血統書は家系図と一緒です。
表面には繁殖者及び所有者の名前、その犬の両親犬、祖父母犬の名前や色、どんなチャンピョンを持っているのかが記載されています。
さらに、その犬が何頭兄妹だったのかの記載もあります。

一般的に、母犬を持っている人が繁殖するにあたり「犬舎名」を登録します。
つまり、正式な犬名の頭か後ろに、〇〇JPと書かれている〇〇にあたる部分です。
これで、どこのブリーダーが繁殖した犬なのかがわかるわけです。

母犬が子犬を生んだとき、それぞれの子犬をJKCに登録します。
登録は生後90日以内に行うことが原則とされています。

90日以内に、新しい家族が決まれば、新しい家族がその犬の正式名称を決めることも可能ですし、まだ行き先が決まっていない犬に関しては、繁殖者が正式名称を決めてJKCに登録します。

登録されると、JKCは個々の子犬の血統書を送ってくるので、繁殖者はその血統書を子犬の新しい家族に渡すことで、正式に「血統書付き」の子犬が手元に来ることになるわけです。

ただし、その時点で血統書の所有者欄は繁殖者になっているので、譲り受けた人が自分で「名義変更」の手続きをJKCに行うことになります。
※こういった手続きは、直接JKCに依頼するのではなく、「〇〇ボーダー・コリークラブ」のように、事務手続きを代行して行うクラブを通してJKCに入会することが必要となります。

書面の手続きには全て「手数料」なるものがかかってきますが、「名義変更」も同様で、血統書が発行された日から6か月以内であれば1,200円ですが、6か月を超えると3,600円になります。

ただ、問題は金額だけのことではなく、一般飼い主さんは名義変更していない状況ではJKC主催の競技会に出られません。
なぜなら自己所有(家族所有)の犬でなければパートナーとして認められないからです。

また、これは実際我が家が経験したことなのですが、飼っていた犬の交配を考えたとき、相手の犬の血統書が名義変更されていなかったため流れたことがありました。
名義変更をしようとしたときには、すでに元の所有者と連絡が取れなくなっていたそうです。

「血統書」はただ、飾っておくものではありません。
かわいい愛犬の家系図でもあり、自分の犬であることを証明する大事なものです。

子犬を迎えたときは何も考えていなかったとしても、服従訓練やアジリティなど、ドッグスポーツを楽しめるようになったときに、競技に参加できないということにならないよう、また、とてもいい性格だから、是非ウチの犬の相手にと請われたときにも、「自分の犬になっていなかった」ということにならないように、今一度「血統書」を確認してみてくださいね。

ちなみに、訓練競技会は生後9か月と1日以上経てば参加できます。

202101081

見習い生後1歳と約2か月、海外から血統書がなかなか届かずJKCの競技会に出られなかったので、ローカルな訓練士会の競技会に参加して場慣らししていました。
※入賞と思わず、見習いを車にしまっていたので、この写真は後から合成です。
見習いはゴールデンレトリバーより大きくはありません。

※血統書が無くても、JKC以外の団体の競技に参加することは可能です。
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