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2020年11月30日 (月)

散歩が嫌いな犬

「戸塚お悩み相談」では「お散歩が嫌いなのですが・・。」というのもありました。

「犬なのに散歩が嫌い?あり得ない!
と、中・大型犬を飼っている人は恐らくびっくりされるのではないでしょうか。
しかし、実のところお散歩嫌いな犬は意外と多いのです。
特に小型犬によく見られます。

なぜお散歩が嫌いなのでしょう。

小型犬は当然小さいので、他の大きい犬に会ったとき緊張したり、怖がったり、警戒したりするのが普通です。
そんな小型犬が自分より大きい犬と出会って嫌な経験をしてしまえば、当然大きな犬は怖いと感じるでしょうし、散歩に行けば日常的に大きな犬とも遭遇するので、次第に散歩は楽しくなくなってくるという可能性もあります。

また、夏のお散歩で、飼い主が地面の暑さに気づかず散歩に連れ出していると、歩くことが苦痛になってしまい、散歩嫌いになってしまうというケースもあります。

さらに、車やバイクなど、大きな音をたてて行きかうものが頻繁に通る場所も、犬にとってはあまり楽しい場所ではありませんね。

そうならないように、子犬の頃に社会化を行い、なるべく多くの物に馴らしてあげるということが不可欠になってくるのですが、社会化の方法を間違えてしまうと、これまた外に出るのが嫌な子になってしまったりします。

小型犬は片手で簡単に抱っこ出来てしまうことも散歩嫌いに拍車をかけることがあります。
つまり、歩きたがらなかったり、怖がっていたりすると、ついつい抱き上げてしまい、自分で問題を解決する力が育つ芽を摘んでしまうことがあります。
子犬でも中・大型犬の子は意外と重いため、そうそう抱っこして歩くこともままならないので、自分から歩くのを待ってみたり、励ましながらなんとか歩かせようと飼い主さんも頑張りますが、片手でひょいと持てると、そのステップが飛ばされてしまいがちです。

夏にお預かりしていたNさん。
小型犬のパピーでしたが、お散歩の途中にどうしても渡らなければいけないグレーチング(金属の格子)がありました。

初めてグレーチングを目の前にしたとき、Nさんやはり立ち止まりました。
どうするかしばらく見ていると、行ったり来たりを繰り返した後、勢いをつけて跳び越えてきました。
もちろん、そのときは「すごいね~。やったね。」と思いっきり褒めてあげました。
その後も、少し躊躇はしますが、いつも気合を入れて跳び越えるようになりました。
自分で解決できると、満足気に先を歩いていました。

犬に自分で問題を解決できるように考えさせる時間を与えることは子犬に限らずとても大事なことです。
嫌なことがあれば、常に飼い主さんが抱っこしてくれたりして嫌な思いをしないで済むならいいのでしょうが、なかなかそうもいかないでしょう。
自分の足で自信を持って歩けるようにサポートしてあげると、お散歩嫌いも軽減されるかもしれませんね。

ただ、急にお散歩が嫌いになったときは、健康面を考えてみたほうがいいときもあります。
どこか(足、関節、足の裏)が痛い。
体重が重くなって歩くのがつらい。
年齢を重ねて、歩くのがしんどくなってきた。
などなど。
そんなときは獣医さんを訪ねてみましょう。

わが家で生まれたボーダーの男の子は、年齢を重ねて、ちょっとした上り坂が辛くなって、歩きたがらないことがありました。
仕方が無いので、彼との散歩はなるべく平坦な道を使うようにしました。

犬のサインを見逃さないことも大事なポイントです。
歩くこと自体が嫌なのか、外に出るのが嫌なのか、行きたくない場所があるのか、といったことを切り分けて考えてみると、理由がわかるかもしれませんね。
外で飼い主さんと楽しく遊べるとわかると、散歩にもつきあってくれるかもしれませんよ。

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