ドッグトレーニング:犬に身体の使い方を体得してもらう
どんなスポーツも、初めはきちんと習わないとうまくできないものです。
もちろん生来の感性で素質を持っている人はいますが、初めてテニスラケットを握ったからと言って、ガットにボールをあてることは出来ても、狙った場所に打ち返すことは難しいものです。
犬もある意味同様です。
俊敏な動物だからと言って、素早く走れたり、上手に曲がれるわけではありません。
野生動物は親が子供にいろいろな機会(試練)を与えて、体の使い方を体得させていきますが、家畜化された犬たちにとって、どう体を使うかを教えるのはある意味人間のお仕事かもしれません。
同じ種だからと言って、どの犬も同じ体の使い方をするわけではありません。
脚の長さや、胴の長さ、体重の違いなどによって、歩様一つも変わってきます。
例えば、大型犬の場合、側対歩で歩く犬がいます。
側対歩とは、左右の同じ側の脚が同時に動くことです。
右前肢が前に出るときに、右後肢も前に出るというものです。
側対歩の良し悪しは別として、これは誰が教えたわけでもなく、犬が自然にやっていることです。
つまり、歩き方ひとつとっても、それぞれ個性がある犬たちに、例えばアジリティ(障害物競技)を教えようとすれば、上手にバーを跳び越える方法を教えてあげることが必要になります。
犬だから、当然バーぐらい跳び越えるだろうと思ったら大間違いです。
いろいろな体の使い方を覚えるためには、いろいろな経験(体験)が必要になります。
放っておいて勝手に出来るものもあれば、人間がサポートすることで、効率のいい動き方を教えることもできます。
前置きが長くなりましたが、オビディエンスの競技では、走っている犬に止まってもらったり、伏せてもらったりという課目もあります。
当然のことながら、惰性がつくこともあり、走っている犬に止まることを指示しても、瞬時に止まることは出来ませんし、犬も別に瞬時に止まらなくていいだろうと思っていたりすると、キューを出してからズルズルと進んで1メートル以上動いてしまったなんてこともあります。
日常生活での危険回避も含め、お願いしたことを瞬時にやることを犬に教えるだけでなく、止まり方も教えてあげる必要が出てくるわけです。
というわけで、先日は見習いと「止まる練習」をしました。
基本的にリードで引っ張ったりすることはしないので、犬が止まりたくなる状況や、止まらなくてはならない状況を作りながら練習していきます。
繰り返すことで体の動きが馴れてくると、キューに対する反応(動作)も速くなってきます。
競技においては常歩行進中の作業(停座・伏臥・立止)もありますが、スピードが出ていないからといって、これらも犬が瞬時に反応してくれるとは限りません。
口ではなかなか伝えられない体の動きは、実際に犬が自分で体得するのをサポートしてあげることが必要ですね。
この時の練習は大好きなおもちゃを使っての練習。
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