犬は人間の気持ちを察する?
犬たちと暮らしていると、時折「えっ?どうして?」と思うようなことがあります。
なぜわかるのだろうか。
といったことです。
「子供は親を選べない」というように、「犬は飼い主を選べない」とよく言われます。
確かに、諸状況を考えると、人間が決めて犬を購入(譲り受ける)していることはわかりきっていることですが、その状況を生み出しているのは、もしかしたら犬の方かもしれないと考えざるを得ないことが多々あります。
別に犬を擬人化しての「この子が私を選んでくれた」という意味ではなく、犬は人の感情を推し量りながら、自分で決断しているともいえる行動を取ることがあります。
わが家で1999年に繁殖したボーダー・コリーの話。
この話は個人ブログやホームページなどでも書いているのでご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、我が家で生まれた5頭の犬たちのうち、2頭残して、3頭新しいご家族の元に送り出す予定が、急なキャンセルで、我が家に3頭残る可能性が出てきてしまったことがありました。
さすがに当時はプロのトレーナーではありませんでしたので、姉弟犬2頭は残せても、3頭では手が足りなくなることは容易に予想できました。
なんとか新しい家族を探さなければという気持ちと、無理に気に入らないところには出したくないという気持ちが私の日々の態度に表れていたのだと思います。
生後2か月を過ぎたとき、たまたま新しい家族募集の張り紙を見てくださった方が我が家に見に来てくださいました。
母犬含め子犬たちもお客様に大歓迎の挨拶をしにいきましたが、募集をしている子犬以外はみんな自分の思い思いの場所に戻ってしまい、行き先が決まっていない子犬だけがお客様の傍から動かないという状況になりました。
この子だけでなく、我が家の犬たちはみんな事態を把握していたということでしょう。
その子はここで自分がお客様の元に行くことが、一番いいことだとわかっていてこの行動を取ったことで、当然お客様はその子を気に入り、翌日引き取りにきてくださいました。
ブリーダーさんのところに子犬を選びに行くときも、なんとなく犬の行動を観ながら人間が決めていることは多いと思います。
そんな行動を取る彼らの気持ちの中にも、やはり好きな人のところに行こうとする犬の気持ちが現われているかもしれません。
特に保護犬の場合、成犬であることも多く、まさに犬が選んでくれる状況も沢山あるはずです。
嫌がっている犬を無理やり家族にしようとする人は少ないでしょうし、犬の方から寄っていくことで、お互いの気持ちが通じやすくなるということもあるでしょう。
また、昨日お散歩が苦手なパピーさんのレッスンに同伴したお預かりのNさん。
アシスタントのボーダー・コリーたちの中でたくましく育っているNさんは、外ではあまり怖いものがありません。
小型犬であっても、地面に降ろしてもいいという許可を頂いてからは、なるべく自身の足で歩いてもらったり、先輩犬にくっついて歩き回ることで、時に怖い思い(バイクの爆音にフリーズなど)をすることがあっても、意外と早くにリカバリーしてくれます。
パピーさんがトラックの騒音や、様々な環境刺激に足が止まって動かなくなると、ロングリードを持って待っている飼主さんや私の気持ちを察してか、自分からパピーさんの傍に行って回り込みます。
すると、パピーさんがこちらに向かって一歩を踏み出すというようなことが何回かありました。
犬の不思議な能力はなかなか解明しづらいものですが、人間が犬に操られている可能性はゼロではないでしょうね。
8月14日からお預かりしているNさんも明日渡星の準備のためにお引渡しとなります。
「ママ」ではないんだよという気持ちは当然Nさんにも伝わっているはずなので、オーナーさんの元に行けばきっとそのひとが本当の「ママ」だとわかるに違いありません。
一か月半余りの合宿生活がNさんにとってよい経験となってくれればいいのですが。
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