ドッグトレーニング:犬に「やだっ!」と言われたら。
若い犬の問題行動としてよくご相談いただくのが「噛み」です。
その多くは、飼い主や家族、あるいは特定の人間を噛むようになったというものですが、ご相談を頂く頃には元々の原因が解明できないくらい時間が経っていることが多いものです。
本来犬にとって「噛む」と言う行動自体はごく自然の行動です。
子犬同士の遊びの中でも、耳を噛んだりお尻に噛みついたりと、普通に口を使って遊んでいます。
しかし、人間との共生の中では、なるべくその行動が出して欲しくないものです。
なぜなら、毛皮でおおわれている犬の体と違い、人間の皮膚は薄く、ちょっと歯があたっただけでも容易に怪我してしまうからです。
では、犬はどんな時に口を出すのでしょうか。
一番自然なのは身を守るため。
嫌なことをされそうになったときに噛むというのはよくあるパターンです。
その後よくない経験を積んでいくと、相手を攻撃するために口を使うようになることもあります。
では、犬にとって嫌なこととは何でしょう。
生命の危険を感じたとき、自分の自由を束縛されたり、やりたくないことを強いられたりすることではないでしょうか。
だからと言って、犬に嫌がることをしないで、全て犬の言いなりになっているわけにもいきません。
ある意味お互い歩み寄って妥協しあわないと、共同生活は送りづらいものです。
そんなとき、犬に「やだっ!やりたくない!」と言われたらどうしたらいいのでしょうか。
そこで役立つ方法のひとつに、犬にとってメリットになるものを使って、やりたくない行動がやりたい行動に変わるようにしてあげるというものがあります。
例えば、なかなか難しいハウストレーニング。
何も無い閉鎖された空間に無理やり押し込めようとすれば犬も抵抗しますが、ハウスの中に犬の好きな物がはいっていたらどうでしょう。
自分から入る確率が自然にあがってくるのではないでしょうか。
同様に、ソファから下りて欲しいと言って嫌だと言われたとき、ソファの下にオヤツが落ちていたら犬も下りやすくなるのではないでしょうか。
まずは犬が自分から行動を取るように仕向け、それを繰り返しながら習慣にしていくことで、その行動に抵抗を感じなくなるようにしてあげると、お互いのストレスを軽減することができ、犬も「やだっ!」と最後まで抵抗する必要がなくなるのではないでしょうか。
力で強いれば犬も最終兵器で応戦してくることは容易に予測できます。
もちろん、犬の個々の性格によって、どの子も口を使うわけではありません。
このような方法を取らなくても、ハウスでリラックスし、下りてと言えば抵抗することなくソファから下りてくれる犬もいます。
何がきっかけで、犬が強い自己主張をするかはわかりませんが、何かお願いした時、ちょっとした間があったら、気持ちよく行動してもらえるようなひと工夫をしてみると、摩擦もおきづらくなります。
成長期の犬たちは日々変化するので、観察は不可欠ですね。
今日はLさんに、気持ちよくソファから下りてもらう練習をしました。
最後にちょっとしたアドバイス。
家庭犬だから必要ないと思わないで、基本のトレーニングを入れておくと、こういった対処も簡単にできるものです。
例えば、跳びつき癖がひどい犬にきちんと「フセ」を教えておけば、跳びつきを防ぐこともできますね。
「ダメ!ダメ!」と言うより、「フセ」と言って出来た犬を褒めてあげる方が気持ちがいいものです。
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