「待つ」ことの重要性
ドッグトレーニングにおいては、常に忍耐力が欠かせません。
つまり、「待つ」ことです。
人間の子供同様、愛犬に何かを伝えて学習してもらうには時間がかかるということを忘れてはいけません。
例えば見習いVincentがお預かりのNさんを受け入れるまでに10日間。
引っ越し先の新しい環境に慣れるまでに数か月。
子犬がトイレの場所を覚えるまでに数日から数週間。
などなど。
特に保護された犬の場合、前の環境との差が大きく影響します。
野犬のような暮らしだったのか、多頭飼育崩壊だったのか、やむを得ない理由で愛情ある家族から別れることになったのか。
まっさらな子犬と違って、成犬にはそれまでの経験値があるので、新しい環境をすぐ受け入れられるとは限りません。
特に苦手なものを受け入れられるようになるまでにはそれなりの時間が必要とされます。
男性や子供と会ったことのない環境で5年ほど暮らしてきた犬にとって、男性や子供を受け入れるには時間がかかります。
もともと男性の低い声や、子供の予測できない動きに苦手な犬は少なくありません。
無理せず、少しずつ、犬の方から寄ってきてくれるのを待つことから始めます。
場合によっては魅力的なものを提供して、その時間を少し早める方法も効果的です。
それはまるで、気になる相手が自分に興味を持ってくれるようにするための恋の駆け引きのようなものです。
焦らず、ゆっくり。
無理して逃げられないように。
午前中のプライベートレッスンでは、Lさんがちょっと苦手だったハウスに自分から入ってくれるようになりました。
ハウストレーニングも無理せず、その気になるまで待ちましょう。
もちろん、トリーツなど、その気になりやすいものはどんどん使っていきましょう。
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