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2020年9月30日 (水)

犬の恐怖心

犬にやって欲しくない行動を取らないようにさせるために、『天罰方式』を使う人がいます。

例えば、インターフォンに吠える犬に、ガチャガチャと犬が嫌う大きな音をさせたり、犬の傍に何かを投げつけて犬を脅かして、その時とった行動を止めさせるというものです。

これは効果が出やすいこともあって、推奨する訓練士やトレーナーはいるようです。
以前はテレビでも放映されていました。

しかし、これはある意味、犬に恐怖心を植え付ける方法でもあります。
大きな音で驚かす方法は、その後犬が「音響シャイ」になる可能性を秘めています。

「音響シャイ」とは、雷や花火、爆裂音などの大きな音に恐怖を感じて、その音がするたびに挙動不審となり、正常な判断が出来なくなってしまう症状が出ることです。

音に対する反応は、聴覚の優れた犬にとってはもともと出やすいものです。
朝の散歩中、雨戸やシャッターが急に開いたり、何かが倒れる音にびっくりして横っ飛びしたり。
人間でも「あーびっくりした。」ということが当然犬にも起こりうるわけです。

音に敏感だからと、音に馴らすことで軽減する方法もありますが、一歩間違えるとさらに悪化してしまうこともあります。

また、その原因に飼い主が気づいていないことも多いものです。
何がトラウマになってしまうかわからないので、日々の生活の中でも注意が必要ですね。

万が一トラウマを抱えてしまった場合には、無理をしないで少しずつ馴らしたり、場合によっては投薬などによって、犬の気持ちを落ち着かせることも必要かもしれません。

精神的なダメージは人間同様犬もあとをひくことがあるので、注意が必要です。


わが家の最初のボーダー・コリー、クリスは3歳を過ぎた頃、突然「音響シャイ」を発症しました。
その後、耳が遠くなるまで10年近く、雷、花火、金属バットにボールが当たる音など、爆裂音を聞くと、外にいればすぐに家に帰りたくなり、家の中にあっては、3階の自室を抜け出し、1階の玄関前でうずくまるといった行動が繰り返されました。
一度発症すると、その音が聞こえなくなるまで何も口には出来ません。

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原因は定かではありませんが、夏場は苦しい季節だったことに違いはありません。

はっきりした理由が無くても発症する可能性があるわけですから、敢えて犬を脅かすような音を立てて、「音響シャイ」を発症しやすい状況を作ることには疑問がわきます。

トレーニング方法を考えるときも、犬への負担を考えることが必要ですね。


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