ドッグトレーニング:普段やっていないことは出来ない
昔親に言われたこと、
「普段家でやっていないのに、外で出来るわけないでしょ。」
人間は、普段やっていなくても頭で理解しているので出来ることもあります。
例えば言葉遣い。
家では雑な物言いをしていても、外で目上の人と話すときは当然敬語や丁寧語を使うことが出来ます。
それは、普段から親に言われていて、家では面倒でも、外に出たら気をつけなければいけないと本人が理解しているからです。
しかし、犬の場合、普段出来ていないことが、刺激の強い外で出来る可能性は非常に低くなります。
もちろん、普段練習していれば出来る可能性は高くなりますが、日常的に練習していないことはできません。
例えば「オスワリ」。
日常生活では、「オスワリ」と一度言って座らなければ、二度も三度も言って、結果座ればいいわけです。
もちろん、2~3度言っても座らなかった場合、大勢に影響が無いから「まぁいいわ。」とそのままにしておけば、恐らく「オスワリ」を覚えることはないでしょう。
頑張って3度目でようやく座った場合、犬は三回目で座ればいいと学習していきます。
こういう習慣がついてしまうと、犬と一緒に何かドッグスポーツを楽しもうと思ったとき、お願いしたことをすぐにやってくれないことが習慣になっていると、やりたいスポーツがうまくできなくなってしまったりします。
例えばアジリティ。
スタートで待たせたいのに、犬が何度言っても待ってくれない。
例えばディスク。
次のスローをやりたいのに、犬が咥えているディスクを放してくれない。
例えばドッグダンス。
ここでスピンをやって欲しいのに、全然言うことを聞いてくれないので音楽が流れていってしまった。
というように、日常生活では大して問題ないことでも、ドッグスポーツを極めて行こうとすると、なかなか思うような結果に結びつかなかったりするわけです。
「なんでちゃんとやってくれないんだろう」と思う前に、日常生活ではすぐ自分の話を聞いてくれているのかどうか見直してみるといいかもしれません。
もちろん、ドッグスポーツなど特に楽しむ必要が無く、そばに居てくれるだけでいいと思っているのであれば、犬に多くを要求する必要はありません。
日常生活が円滑に回る最小限度のコミュニケーションが出来ていればいいと思います。
ただし、愛犬の安全を守るのは飼い主さんの義務なので、危険を回避するためには、普段から話を聞いてくれる関係を築いておく必要はあるかもしれませんね。
お預かりのNさん。
特に教えたわけではありませんが、1週間ほど前から私の前で自分から座る頻度が高くなりました。
そこで、座っている姿を見るたびに、「Sit」「Sit, Good♪」と声をかけていたら、「Sit」の声で座るようになってきたのです。
Nさんがこちらに意識を向けているときを確認して、「Sit」と声をかけます。
もちろん、すぐにはお尻が地面につかないので、ちょっと待ってみます。
すると一生懸命考えたNさん、お尻を地面に付けてくれるので、その瞬間「Good!」と言って褒めてあげます。
決して、「Sit, Sit, Sit!」と連呼はしません。
私がNさんにお願いしたいのは「Sit」の一言で、お尻を地面につけるという行動です。
理解できるまで、繰り返し練習していきます。
オーナーさんにお渡しできるまでに、最低必要なキューと行動をリンク付けできるように頑張ります。
-----------------------------
ブログ村に登録しています!ワンクリックが励みになります!
にほんブログ村
| 固定リンク
「ドッグトレーニング」カテゴリの記事
- リソースガーディングの予防(2025.03.18)
- ヒールポジションへの入り方を教える(2025.03.17)
- 境界線の意識(2025.03.15)
- チャンスは有効に。(2025.03.14)
- やる気は大事だけど、メンタルはもっと重要(2025.03.13)
コメント