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2020年7月10日 (金)

ブリーディングについて パート2

先日犬のブリーディングについて長々書きました。
楽しい犬との暮らしを考えて一歩を踏み出す人を奈落の底に突き落とすようなブリーディングは問題があるんじゃないかというような内容でしたが、今日は少し一般的な話を書きます。

 

そもそも犬の場合、様々な犬種があるのはご存知の通り。
なぜかと言えば、それぞれの犬種には役割があって、その役割に適した遺伝子を残すように選択交配が意図的になされてきたからです。

「犬ならなんでもかわいい」というのとは別次元の話として「犬種」というものが存在します。
犬種によっては、問題が出る可能性を持つものもありますが、そこまで立ち入ってしまうにはあまりにも問題が大きくなるのでここでは書きません。

ある犬種を存続させていこうという信念のもとに、犬種のスタンダードを証明する「血統書」が発行されているので、万が一血統書のある犬と、血統書の無い犬(純血種と証明されていない犬)が交配してしまった場合は当然血統書は発行されません。

血統書の本来の意味はそういうことです。

血統書を見ると、現在JKC(ジャパンケネルクラブ)の発行する正式な血統書には三代祖まで載っています。
(以前は五代祖まで載っていました。)
つまり該当犬の曽祖父母までが記載されています。
前回「血統書」は「家系図」と書きましたが、まさにそういうことです。

それぞれの犬の名前には犬舎名が付いていて、どの犬舎で繁殖したのかわかるようになっています。
つまりラインがわかるわけです。
親戚犬を探すというサイトがあったかと思いますが、それを見ると、「ウチの子と何ちゃんは親戚ね。」ということがわかったりします。

血統書の中の犬たちの名前の中には同じ名前の犬が入っていることがあります。
例えば父犬と母犬のおじいちゃんが同じだったするわけです。

これは同じ血のいいところを受け継いでいくために、犬舎側が意図して行っていることですが、ラインブリード(系統繁殖)と言われ悪いことではありません。

我が家の初代ボーダー・コリーのクリスの血統書を見ると、オーストラリアのMinimbah犬舎の犬たちとBorderfame犬舎の犬たちが並んでいて、父方と母方の親戚の中に同じ犬が入っていたり、親戚犬の中には同じクリスに似たおにぎり顔(マズルが丸い)の犬がいたりします。
ある意味受け継がれた容姿のひとつで、選択交配していたともとれます。

わが家で生まれたハンス。
202007102

どことなく母方の血統にあるBorderfame犬舎の犬に似ています。

202007103
(出典bordercollie.ru)

人間では考えられませんが、犬の場合ある程度の近親交配は問題ないとされています。
ただし、親子、兄弟姉妹、叔父と姪のように近い近親交配はインブリードと言って血が濃くなりすぎて弊害が起きる可能性が高いことがわかっているので、JKCでは特に親子や兄弟姉妹の極近親繁殖は認めていません(許可制)。

そこで、良識あるブリーダーはあまり血が濃くなりすぎないように、時折他の犬舎の遺伝子を入れるために「アウトクロスブリード」を行うわけです。
他のラインを入れると言うことは、逆に言うとどんな子が生まれてくるか未知数とも言えますが、健全な犬種保存のためにはある程度のチャレンジはブリーダーとしても必要なことではないでしょうか。

 

このような意図的交配はどのようなブリーダーでも行っていて、特に注意しなければいけないのは、遺伝性疾患や被毛の色です。

単純に血統書のラインを見るだけでなく、遺伝的に持っている疾患の可能性があれば交配を見合わせなければいけません。
そのために両親犬には様々なヘルスチェックが行われます。

また、犬の被毛の色は他の疾患との関連性もあるので、単純に色だけを選んだ交配を行えば、弊害を伴ってしまいます。
例えばボーダー・コリーの場合、マール因子同士を持つ犬を交配すると、その25%の確率で、目や耳に疾患がある犬が生まれてきます。
マールの色が綺麗だからと無謀な交配を行えば、結果として不幸な犬が生まれてしまいます。

先日も書きましたが、血統書に載っている犬たちの被毛の色も大事なポイントになってくるわけですね。
一般の人には当然わかりづらいことですが、プロのブリーダーであれば勉強していなければいけない重要な部分です。

売れるからと言う目的での意図的交配ではなく、健全で性格(気質)のいい犬たちを作出するための意図的交配がなされることを望みたいです。

先日、まだまだ先の話ですが、とあるブリーダーに問い合わせをしたところ、来年交配予定の犬たちの予約はいっぱいだとか。
きちんと考えてブリーディングをしている犬舎の犬たちには、かなり前から予約が入っているものです。
犬も大事な家族です。じっくり探しましょう。

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