犬も体つくりは大事
犬は動物だから運動神経が高いと思いがちですが、ネコほど上手に体を使っていないことは、最近の沢山見られる動画サイトなどの「犬の笑える行動」のようなものを見るとおわかりになるでしょう。
人間が思っているほどアスリートではないようです。
もちろん、元々運動神経が高い犬種や個体はいますが、全てではありません。
足も踏み外し、跳び越えたつもりでぶつかったり、着地に失敗して骨折したりと、意外と運動神経はよくありません。
わが家のボーダー・コリー、子犬の頃キッチンとの境目に置いていたゲートをよじ登ってキッチンに入って喜んでいた犬と、よじ登るのに失敗して骨折してしまった犬。
階段を降りるとき、足を踏み外して転がった犬など、ボーダー・コリーなのに・・と思われる行動を何度も見てきました。
犬だって目測を誤ることもあれば、運動神経抜群なわけでもないのです。
そこで、ドッグスポーツを志すハンドラーは、まず犬の体つくりから始めなければいけません。
例えばディスクドッグ。
最初から人間の身長ほどまで跳びあがってディスクをキャッチできる犬はそうそういません。
ディスクをキャッチする練習は低い位置から始めるとともに、体に負担にならないジャンプの練習も必要です。
もちろん、教えなくても綺麗に体を使える犬も中にはいますが、どの犬もそうではありません。
ドッグダンスのトリックであるSitUp。
犬が座った状態から、前足を上にあげて平衡感覚を保ってじっとしていることも、練習せずとも出来る犬もいれば、何度も繰り返して、ようやくバランス感覚と筋力が伴って出来る犬もいます。
特に後ろ足を使った作業は、犬がその動きに慣れるまで時間がかかります。
なぜなら、犬は前肢の動きに合わせて、後肢がついて歩くという行動を無意識に行っているので、後肢の意識が低いからです。
以前テレビの動物番組で、ネコは目の前にある障害物の中を、障害物を倒すことなく上手に歩き切れるが、犬は前肢には気をつけていても、後肢は蹴り飛ばして歩く様子が映されていました。
猫の後肢にはセンサーが付いているようです。
つまり、犬の場合は後肢に対しての意識づけを行わないと、後肢を使った様々なトリックがスムースに行えないということです。
例えば、ドッグダンスにはハンドラーの足の間をくぐりながら歩くウィーヴという動きがあり、その動きを逆回しのように、後肢からハンドラーの足の間をくぐっていく動きもあります。
これは、単に犬が後退歩行するだけでなく、ハンドラーの足に沿って円を描くように動くというプラスアルファが含まれます。
この動きを教えるには、まず座り込むことなくまっすぐ後退歩行することを教え、後肢から歩き出すという動きに犬を馴らした後、円を描くように下がるというもうひとつの動きが出来ないとスムースに犬は動けません。
段階をひとつずつクリアしていくと、「出来ない。なぜ出来ないんだ。」という無用なストレス(負荷)を犬にかけることなく、成功に導けるようになります。
どんなトレーニングも、犬にとって楽しいものでなければハンドラーにはつきあってもらえないので、簡単なレベルから始めていきましょう。
それが成功体験の積み重ねに繋がっていきます。
FCIオビディエンス競技で「前脚固定」の「姿勢変更」を教えている見習い。
つまり、前肢は動かさずに、オスワリ、フセ、タッテの姿勢変更を教えているのですが、フラットな場所だとどうしても楽な動き方をしてしまいます。
そこで、前肢を動かさないで後肢を動かす練習。
当然、筋力のないアシスタントには出来ません。
何事も、少しずつ。ですね。
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