マスクは犬にもストレス
「マスクをすることで、表情が伝わりにくい」という話を今朝テレビでやっていました。
確かに相手の表情はわかりづらいし、声はこもって聞き取りづらい。
人間同士でもそうなのですから、相手が犬の場合はさらに厳しくなります。
家の中ではマスクをしないで話をすることで慣れていても、
外の散歩やレッスンなどでは当然飼い主はマスクを着用しています。
犬は人の話に耳を傾けようとしますが、同時に人間の口元もよく見ています。
マスクをしてしまうことで、飼い主が笑っているのか(喜んでいるのか)
機嫌が悪いのか(怒っているのか)、判別しづらくなります。
しかもマスクで声がこもってトーンも低くなります。
以前FCIオビディエンスクラスIの競技を見学していた時のことです。
あるハンドラーがパートナーに「持来」のキューを出していました。
犬はダンベルのところまで走って行きましたが、咥えませんでした。
そこでハンドラーはもう一度「持ってこい」と指示をだしました。
遠隔作業のため、多少声は大きめに出していました。
しかし犬は咥えずその場で立っていました。
ハンドラーはその後2回ぐらい、更に低い声で怒鳴るように指示を出していました。
ちなみに、このハンドラーは男性でした。
審査員の指示で、その課目はそこで終わりとなり、犬は呼び戻されました。
オビディエンスの競技においては指示のキュー(基本的には言葉)1回で犬が作業を行えず、追加でキューを出す場合は減点されます。
追加のキューが3回以上になると基本的にその課目は不合格(0点)になります。
クラスIの11課目目は「総合評価」です。
そこではハンドラーと犬のチームワークや相互的な作業への喜びとスポーツマンシップが評価されます。
審査員からハンドラーに言い渡された一言は、「2回のキューで犬が作業に入らなかった時点ですでに得点はないのだから、さらに犬に圧をかけるように怒鳴ってはいけない。」というものでした。
競技会で犬が出来なかったのには理由があったからでしょうし、
そのような精神状態の時、ハンドラーからさらなる威圧を受けたら、
犬はますます動けなくなります。
同じ言葉を発していても、声のトーンが違えば当然犬はストレスを感じる可能性があります。
その言葉の中には、「なんでやらないんだ!?」「やれるはずだろう。」というハンドラー側のいら立ちが入っていることを犬は敏感に感じ取っています。
マスクをすることで、犬たちは飼い主の表情を読み取ることも難しく、
声まで聴こえづらくなっています。
マスクをしながら犬と話すときは、いつもよりちょっとトーンをあげて、
楽しそうにはっきり伝えてあげるとわかりやすいでしょう。
🍀 2020年9月4日~6日🍀
3Days イベントの申し込み受付始まりました。
詳細はこちら👇
http://chn.air-nifty.com/dance_with_dogs/2020/06/post-6d5890.html
-----------------------------
ブログ村に登録しています!ワンクリックが励みになります!
にほんブログ村
| 固定リンク
「ドッグトレーニング」カテゴリの記事
- なんですぐやってくれないの?(2024.10.09)
- 愛犬とのコミュニケーションははわかりやすく(2024.10.08)
- 愛犬はなぜ「マテ」ないのか。(2024.10.07)
- しつけ相談会@港区立有栖川宮記念公園(2024.10.06)
- 「お手」「お変わり」はいらない?(2024.10.05)
コメント