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2020年6月 1日 (月)

ドッグトレーニング:エラーレスラーニング

「失敗から学べ」と人間社会ではよく言われることですが、
動物の場合はどうでしょうか。

「正の強化」を使ったドッグトレーニング法において、
強化されるのは、犬が正解を出しているとき。
正解が出なければ、犬にとってデメリットはありませんが、
報酬が出ないことが続いてしまうとフラストレーションがたまって、
「吠える」「エラーが繰り返される」といった
弊害が出ると言われています。

例えばシェーピング。
先日見習いに教えた「お片付け」は、一部シェーピングで教えましたが、
スタート時、咥えてもらうものと、それを入れるケースを同時に視界に入れてしまったら、
ケースの方が気になって、咥える行動が出づらくなりました。

元々オビディエンスをやっているのと、普段から遊びで使っているおもちゃを
置いたことで、当然おもちゃを咥えるだろうと予測したのが誤りでした。

彼にとっては、おもちゃよりケースが気になり、
なかなかおもちゃの方に気持ちが向かないためにクリッカーがならない状況に。

こういう時間が長く続いてしまうと、犬はフラストレーションを溜めてしまいます。

そこで、彼の動きがフリーズしたところで、視界からケースを消して
おもちゃだけにしたら、すぐ次の動きに入りました。

シェーピングでなくとも、日常のトレーニングにおいて、
これくらいは出来るだろうと思ってハードルを上げてしまうと、
エラーばかり出てしまい、褒められない状況が続くと、
フラストレーションを溜めた犬がますますエラーを繰り返すことがあります。
それでは、教え手の意図に反してしまいますね。

そこで、犬のその時の状況をよく観察しながら、
求めるハードルをどこに設定するかを考えるのが大事です。

先日のオビレッスンでの休止練習。
「休止」の時間やハンドラーとの距離がハードルの高さに匹敵します。
また「休止」の姿勢も関係してきます。
「立止」より「伏臥」の方が、犬は動きにくいからです。

時間と距離、どちらもあまり伸ばし過ぎるとエラーが出てしまいます。
犬の集中度も含めて様子をよく観察していると、
フッと気持ちがそれそうになるときが見られました。

そんな時は、ハードルを下げて強化頻度(褒める回数)を増やしてあげます。
トレーニングは楽しくが基本。

202006011

もちろん犬の進歩と共に、ハードルは少しずつ上げていきますが、
今その状況が犬のメンタルにどう影響しているかを考えながらプランニングすることが必要ですね。

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