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2020年5月29日 (金)

動物に優しい方法とは。

今朝のニュースでクジャクの捕獲を見ました。
先月からあちらこちらで目撃され、その都度警察が捕獲に出向くも捕まえられず、今回ようやく捕獲されたとのこと。

クジャクは心ある方の申し出で、今は安全に暮らしているとのこと。

202005291

<朝日新聞デジタルより転載>

話の流れとしては「よかった。」ということなのですが、捕獲の映像を見ていてちょっとがっかり。

海外での動物保護の映像では、出来るだけ動物にストレスを与えないよう、工夫しながら保護しようとしている様子がよく見受けられますが、なぜか日本の映像ではいつも、追いかけて、追い詰めて、怖がらせて、うまく行けば捕獲、ダメなときは反撃されて取り逃がす。なんていうことが見られます。

確かに屋外であれば取り逃がすリスクを考えると、早く処理したいところでしょう。
しかし、今回は幸運にも家の中。
しかも、家の中に招き入れたのはその家の方でした。

なんとか助けてやりたいという気持ちで、食べ物を撒いて、家の中まで招き入れたそうです。
素晴らしい発想です。
クジャクが自分から家の中に入っていったわけですから。

警察の方は動物のプロではありません。
「捕獲」という仕事を迅速にこなそうとするだけです。
しかし、何度か通報があったわけなので、その際どうすれば速やかに作業が遂行できるかクジャクのプロの話を聞いてみたのでしょうか。

クジャクはかなり弱っていたようで、追い詰められた結果捕獲されました。
でも、もし美味しい食べ物を撒きながら、捕獲箱まで誘導していたら、
羽を折ることもなく、自ら捕獲箱に入ってスムースに作業は完了したのではないかとも考えます。

危険度の高い動物であれば、人命優先ですが、実際食べ物に釣られておうちにあがった実績があるのだったら、通報者の話を参考に、捕獲ではなく、保護する方法を考えてあげるのも必要だったように感じます。


さらに夜のテレビ番組では、海外の大きなゴミ箱の中に閉じ込められてしまった子熊の救出に、警官がはしごをかけてやり、子熊は自力でゴミ箱から抜け出て母親の元に戻っていったという映像を見ました。

日本においても、ひとりでは考えつかなくても、何人かいればこういう発想が出る社会になって欲しいと願っています。
動物に関わる仕事をしている人は、動物に無用な力やストレスをかけずに好ましい行動を引き出す方法を学んでいると思います。


もちろん、ドッグトレーニングにおいてもこのような手法は取り入れられています。
食べ物による誘導(ルアー)は新しい行動を教える方法の一つですが、食べ物が無いと何もできない犬になると困ると敬遠される方もいます。
正しく教えてあげれば、食べ物が無くても犬たちはちゃんとやってくれます。
できるだけ犬に優しい方法を取り入れて欲しいと思います。

今日あるクライアントさんに、ニコルを叱ったことがないのかと聞かれました。
もちろんあります。
散歩の途中で、ネコを見つけて跳びつきそうになって急にリードを引っ張るときなどは「ノー」と言います。
なぜなら、ネコを見かけても「Leave it」と言い続けているので、彼女はとりあえず無視してやり過ごすことを知っているからです。

ただ、日常生活の中では、小さいころから無用に叱らなくていいように環境設定しています。
食べ物を手の届くところに置かない。
悪戯の対象になるものを口や手の届くところに置かない。
跳びつく前に座ることを教えるとともに、跳びついてもいいキューを教える。などなどです。

犬に優しいというのは、やって欲しくない行動を叱らないで見過ごすことではなく、
やって欲しくない行動が出づらい環境設定、叱らなくてもいい環境設定をすることです。

犬たちの周りがどうなっているか、ちょっと 確認してみませんか?

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