犬のストレスサインに気づく
「犬のボディーランゲージを読みましょう!」ということは
最近ではよく言われているので、ご存知の方は多いと思います。
犬が感じていることを、擬人化するのではなく、ありのまま理解するためには
不可欠なことです。
ただ、このようなことは、犬を飼っている人でさえ知らないことも多く、
ましてや犬を飼っていない人では皆無と言ってもいいかもしれません。
私は朝の散歩の途中でベーカリーによることがよくあります。
犬が他の買い物客の邪魔にならない場所に係留できることと、
人の出入りの多くない時間帯に限っています。
今朝、朝食のパンを購入するため、歩道のガードレールに犬たちを短めに係留し、
座って待つよう指示を出して店に入りました。
(これは先日の写真)
幸い他の客は誰もいなかったので、欲しいパンを切ってもらい
お金を払って出てくるまでのほんの2分~3分。
しかもレジからは犬が見える上に、ドアもオープンになっているので、
こちらの声も聞こえます。
集中が切れて立ち上がった見習いに再度座るように言ったあと、
通りがかりの女性が急に見習いに手を出して撫で始めました。
見習いは、腰を低めにして、自分からも顔を近づけるようにしているので
相手に恐怖感は感じていない様子でした。
しかしお金を払おうとしながら観ていたら、その女性がさらに
見習いの方に近づいて、覆いかぶさりそうな感じになってきました。
見習いは逃げ場を無くし後ずさりし始めました。
そして次の瞬間、見習いはガードレールの隙間から車道側に逃げました。
私はあわてて外に出て、見習いをガードレールの内側に呼び戻しました。
見習いは私の顔を見てストレスで吠え始めました。
まだその場を離れようとしない女性に、見習いが吠えたことに対し、
「すみません。ちょっと怖かったようなので。」と言うと、
その方は何を言っているのかわからないという表情をされました。
彼は明らかに、途中から「もういっぱいだよ。」という表情で体を後ろに下げ、
それでも撫でようとされて逃げ場を失い、ガードレールの外側に出てしまったということに
撫でていた女性は一切気づかなかったようです。
店のすぐ目の前だからと係留してしまった私の責任ですが、
嫌がっているかどうかを観ることは動物に接する際には不可欠ですね。
ずっと昔、子供の頃に、「繋がれている犬に手を出しちゃイケナイ。」と
誰かに言われたことを思い出しました。
逃げ場のない犬に手を出すことは、犬にストレスを与えてしまう可能性があるということです。
同様に、「犬の前で走っちゃイケナイ。」ということも大人に言われた記憶があります。
犬のボディーランゲージなどという言葉がまだなかったころですが、
犬の次の行動を予測することも重要ですね。
今はそういうことを言ってくれる人はあまりいなくなったのでしょうか。
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