ドッグトレーニング:シェーピングは難しい
先日見習いに「お片付け」の行動をシェーピングを使って教えたことを書きました。
服従訓練やオビディエンス競技にも出ている見習いですので、
「持ってくる(Take it)」、「咥えて保持する(Hold)」、「出せ」は教えてあります。
競技で「Take it」と言えば、走って行って、落ちているダンベルを咥えて
戻って来ることが一連の流れで、最後に私がダンベルの端を持って「出せ」と言うまで
持ち続けていることが課目の規定になります。
そこで、彼の頭の中にある「出せ」は、私の傍で、私がダンベルの端っこを持った時に
出されるキューだと長い間思っていました。
もちろん、おもちゃで遊ぶときも「出せ」は使います。
その際も、私に手渡しすることだと思っていましたが、
昨年から、私の手が出なくても、「出せ」と言ったら口を開けて
咥えていたものを落とすように教えなおしました。
思った以上にこれは大変でしたが、咥えている物以上に
彼にとって好きな物を目の前に見せると出せるようになりました。
そこまで理解出来ている状態で、「咥えたものを、指示した入れ物まで運んで、
中に入れる」というのが、今回の「お片付け」のゴールと決めて、
見習いにこの新しい行動を教えてきました。
落ちているおもちゃを見れば、自分からそちらに興味を向けるので、
「Take it」と言わなくても咥えてくるだろうと思い、
運ぶ先のバケツを用意して待っていたところ、
彼はおもちゃも気になるけれど、バケツはもっと気になり、
バケツで何かを始めようとしてしまいました。
顔を突っ込んでみたり、咥えようとしてみたりと、いろいろ考えたようです。
バケツに向かうとクリッカーが鳴らない状況にぶつかった彼は
座り込んでしまい、固まってしまったので、
彼の視界から一度バケツを消して、落ちているおもちゃだけに
フォーカスさせることに変更しました。
クライテリアを上げ過ぎたつもりはなかったのですが、
バケツが彼にとって大きな環境刺激になってしまったようです。
犬から見た景色や、犬が感じていることをわかろうとしないと、
犬の学習はなかなか進まないものです。
犬が意図した行動を取れず、強化されなければ、学習は進みません。
強化しやすい環境を作ってあげることが大切ですね。
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