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2020年4月20日 (月)

ドッグトレーニング:ウチの犬はなぜ呼んでも戻って来ないのか。

子犬のころは呼ばなくても踵を噛むほど近くに来て、足元から離れなかったのに、気づけば呼んでも戻ってこない犬になっていた。
なんてことはないでしょうか。

子犬は動くものに反応し、常に飼い主の動きを見張り、いつも後ろからついてきました。
しかし、成長と共にその興味は外にも向かうようになり、散歩に行くようになると、最初は後ろに隠れて歩けなかったのが、あっという間にリードを引っ張りながら先に行くようになる。

小型犬であれば手や腕、腰が痛くなることも無いので、ついついそのままにしていて、かわいい我が子にも友達を作ってやろうと思ってドッグランに入れたら、友達がみんな帰ってしまうまで飼い主の元に戻って来ない犬になっていた。というパターン。

こういう場合は、「呼び戻し」の練習を一から教えてあげることで解決できますが、時間はかかるでしょう。
何しろ、愛犬はすでに飼い主より優先したい楽しいことがあることを知ってしまっているからです。

夜遊びの楽しさを知ってしまった女子大生が門限を守らなくなるのと同じですが、この場合は両親からの「罰」によって制限をかけることができます。
しかし、犬の場合はこの「罰」が裏目に出て、さらに戻って来なくなるので使いません。


さて、もう一つ戻って来なくなるパターンは、小さいころに「呼び戻し」を教えたからもう大丈夫だろうという油断です。
確かに呼ばれて戻ることを理解し、覚えた犬であっても、ロボットではないので必ず戻る保証はありません。
日々楽しいことと関連付けて呼び戻していなければ、次第に戻ることの楽しさが薄れ、どっちがいいか天秤にかけるケースも出てきます。
リードが付いていない犬は糸が切れた凧と同じで、追いかけても捕まえることは出来ないし、追いかけることが犬たちにとって楽しいゲームに変化してしまうと、ますます戻って来なくなります。

そこで、必要な時以外でも、呼んで戻って来たらいいことがあるよとリマインドさせておくことも大事ですね。

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もうひとつのケースは、そもそも呼ばれて戻ってもいいことはないと犬が学習してしまった場合です。
家の中では、呼ばれると「爪切り」だったり「シャワー」だったり嫌なことが始まり、外のドッグランでは必ず家に帰るときだったりすると、「おいで」の言葉は犬にとって嫌なことをされるときに発せられる「キュー(合図)」と認識されてしまい、なかなか来てはくれません。
こういうキューを”Poisened Cue(毒入りの合図)“と言い、一度学習されてしまうと、なかなか覆せないようです。

そんなときは、キューの言葉自体を別の物に変えてしまうという方法があります。
「おいで」であれば、「カム(Come)」のように別の合図に変更します。
しかし、当然のことながら、「カム」と「楽しいこと」を、初めて呼び戻しを教えたときのように刷り込んでいかなくてはいけません。
そして、今度はドッグランでも「カム」と呼んで戻ってきたら、「遊んでおいで」と犬を自由にしてやるということを繰り返していきます。
つまり、「カム」は楽しいことが終わる合図ではないと教えていくわけです。
何度か繰り返す中で、戻ってきた犬に「そろそろ帰ろうか」という違う言葉を使うことで、「カム」とは切り離すのもいいかもしれません。

犬は賢く、日々で多くのことを学習していきます。
一度教えたことは「一生もの」と安心せず、ちょっとした変化を見過ごさないことが大事ですね。

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