« ドッグトレーニング:犬の気持ちを察する | トップページ | ドッグトレーニング:トリーツの使い方は難しい。 »

2020年3月31日 (火)

犬との生活:犬の気持ち

昨日シャイな犬のお話をしました。
シャイになった理由はいろいろあるでしょうが、
それを少しでも改善してあげるのが飼い主さんやトレーナーのお仕事。
だからと言って荒療治は弊害が多いためおすすめできません。
人との信頼関係が崩れてしまうことも理由のひとつです。
信頼関係が崩れてしまうと、コミュニケーションが取りづらくなるだけでなく、
「噛む」という新たな問題が出現してくる可能性があるからです。

さて、犬たちは人間同様さまざまなことを感じています。

・嬉しい。
・楽しい。
・不安だ。
・怖い。
・嫌い。

平常心以外の場合、心拍数があがることは犬も人も同じです。

先日アシスタントが獣医さんを訪ねたときも、元来人が大好きで、
かまって欲しいタイプですが、病院の雰囲気はあまり好きではありません。
最初は何ともなかったのですが、耳洗浄をされてから嫌いになったようです。
待合室で待っている間に心拍数があがり、逆に病院で不調になるかと思うくらいです。

いずれにしても、いろいろな状況に際し、犬の気持ちは変わります。
いつも同じではありません。
嫌な体験をすれば、それによって受けるダメージの大きさによって
人と同じで、トラウマになったりするわけです。

愛犬の様々な反応について、飼主さんはある程度愛犬のことを理解していますが、
よその犬のことまでは考えていないことが多いものです。
つまり、自分の犬の行動が相手の犬にどんな影響を与えるかということは
あまり考えていません。

そんな時よく耳にするのが「大丈夫だから。」

でも大丈夫かどうかを決めるのは相手の犬の方ですね。


「大丈夫」という言葉は自分の犬に使ってしまうこともあります。
例えば、散歩コースにある日粗大ごみが捨ててあると、
犬はいつもと違うものが置いてあることで一瞬立ち止まります。

「あれはなんだろう。」

それは人間でも当然感じる違和感です。

そんなとき、人間は粗大ごみとわかっているので、ついつい「大丈夫よ。」と犬に声をかけて横をすり抜けようとしますが、犬にとっては何が大丈夫なのかわかりません。
なぜならまだ自分が確認できていないので納得していないからです。

こういう状況が続くと、犬は「変な物」イコール「大丈夫」と学習していくわけです。

そんなときは、犬に確認させることが重要。
無理矢理リードを引っ張って近づけるのはNG
リードを緩めて犬が自分から確認しに行くのを待ちます。
もしかしたら、腰を引きながら、吠えてみたりするかもしれまん。
っが、相手が反撃しないものであれば、犬は傍に行って、
「な~んだ。ボクには関係ないものだ」と納得してその場を自分から立ち去ることが出来るでしょう。

そんな時間が無かったら、犬をその物から遠ざけながらさっさと何も言わずにやり過ごします。
ただし、翌日まだ粗大ごみがあれば、同じような行動を犬がとる可能性はあります。
ちょっと時間に余裕を持ってその場に向かってみましょう。


見習いがチビのころ、小さい子供と初対面。
腰が引けて、尻尾も下がっています。

202003311

チェックが終わると、少し重心が前にかかり、尻尾もゆるやかに振り始めました。
子どもが自分から遠ざかろうとしていることもストレスを軽減している理由です。

202003312_20200331184401  

 最後は尻尾をぶんぶん降りながら自分から寄っていきました。
202003313
※この時人間のお子さんは犬に興味を持って近づいてきて、アシスタントの方を撫でています。
見習いのリードは伸ばして選択肢を与えています。


今日も散歩中に何頭かの犬に沢山吠えられてしまった我が家の犬たち。
まぁ、目立つ(色や大きさ)から仕方ありませんね。
幸い無視して通り抜けられましたが、
道が狭い時はよけたりしながらやり過ごします。

アシスタントは吠えられるだけで膀胱炎になってしまう気弱なタイプ。
「大丈夫」とは絶対言えません。

「大丈夫」は犬が自分で確認できてこそです。
ましてや、他人はよその犬のことなどわかりません。
自分の犬のサポートだけでなく、相手の犬がどんな気持ちになるかも少し想像してみるのも必要かもしれませんね。

-----------------------------
ブログ村に登録しています!ワンクリックが励みになります!
88_31_24
にほんブログ村

|

« ドッグトレーニング:犬の気持ちを察する | トップページ | ドッグトレーニング:トリーツの使い方は難しい。 »

犬の行動学」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« ドッグトレーニング:犬の気持ちを察する | トップページ | ドッグトレーニング:トリーツの使い方は難しい。 »