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2018年11月19日 (月)

家庭犬か競技犬か。

初めて犬を迎えようと考えるとき、その人には犬との生活がある程度イメージ出来ていることでしょう。
例えば、一緒に旅行に行ったり、散歩しながらカフェに立ち寄ったり、あるいは家の中でゴロゴロ、もしかしたらドッグスポーツをやるなど、様々な絵柄を描いているに違いありません。
もちろん、御縁があってということもあるので、すべてではありませんが。

初めての犬と暮らし始め、ドッグライフが広がっていくと、いろいろな人との交流も深まり、ドッグスポーツを始めたくなる人もいるでしょう。
愛犬と楽しい時間を共有することでドッグスポーツを選ぶ人は沢山いますが、ドッグスポーツはある意味競技でもあります。
楽しみつつも、成果を出していくことで人は達成感を得ることができますし、同時に犬も飼い主の喜びに共感してくれるでしょう。

しかし、どんな競技であっても、上りつめたいと思う人はいます。
向上心はとても素晴らしいことです。

しかし、結果は他と比較するものではなく、本人(と犬)の成果であることに違いありません。

つまり、今そのペアに出来ることが出し切れたのか。


家庭犬のマナートレーニングやカウンセリングでよく伺うのが「うちの犬は家の中でいつもフリーにさせておきたいのでハウスは使いたくありません。」というものです。

我が家もフリーです。夜も一緒に寝ています。
しかし、ハウスに入れることもあります。犬が自分から入っていくこともあります。
家の中でも仕事をしているので、犬をかまわない時間もあります。
しかし、犬の方から私にアクセスしようと思えばいつでもできる環境です。
一人で寝たいときは寝、かまってほしいときは催促に来る。
犬に選択権を与えているといってもいいでしょう。

犬にとって自由な生活を許している場合、こちら側のルールをきちんと決めて犬に伝えておかなければ、犬は常に自由意思で動くことに慣れてしまいます。

そんなとき、「今日は競技だから言うことをきけ」というのは到底無理が出ます。
ルール付けがされている場合はおそらくちゃんとやってくれるでしょうが、100パーセントとはいかないかもしれません。
でも、それはある意味家庭犬であれば当然のことです。
つまり、犬にとっては競技のためだけの暮らしをしていないので、時には飼い主を癒し、時には飼い主のお供で出かけ、時にはわがままを言ったりしているわけでとても忙しいのです。

一方競技犬として暮らしていいる犬は、散歩やトレーニングの時間以外は一人でハウス(クレート)やケージの中で過ごし、出してもらうときは運動やトレーニングに費やされます。
つまり飼い主(ハンドラー)との接点は限られているわけです。
となると、飼い主と一緒に居られる時間はとても貴重になるので集中力もあがります。
飼い主の言葉もよく聴いているでしょう。
おそらく、一般飼い主にはこういうドッグライフは想像できないかもしれません。


競技犬と家庭犬に違いがあるのは当然です。
犬との暮らし方自体が異なっているのです。


しかし、当然のことながら、一般の家庭犬であっても良い結果を残しているペアは沢山います。
本来の犬の資質が適していたり、ハンドラーが最大限の努力をすることで成果は必ず出ます。


一般家庭で、愛犬が最近全然飼い主の話を聴いてくれないというようなときは、少し距離をとってくださいと言うときがあります。
いつも飼い主と犬がべったりなご家庭の場合、犬が飼い主に対してお腹がいっぱいになってしまい、飼い主への注意や好奇心が低くなっていることがあるからです。


日ごろお仕事などで留守にして愛犬と一緒に居られない時間がある家庭と比べれば、いつもおうちにいて愛犬を見ていられる家庭の方が犬にとっては良い環境ですが、あまり接触しすぎるのも、動物である犬にはストレスになる場合もあります。

適度な距離感は必要ですね。

愛犬との共同作業を成功させるためには、トレーニングの量も大事ですが、質はもっと重要です。

そして、共同作業の成果は他人と比べるのではなく、そのペアにとっての成果でなければならないでしょう。

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photo by K.Kさん。
週末のドッグダンスコンペ。
まだまだ話し合いが必要なペアです(汗)。


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