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2018年10月16日 (火)

ドッグトレーニング:クリッカーによるシェーピング

ドッグトレーニングでよく使われるクリッカーですが、目的は犬に「今やっていることはあっているよ」と伝えるものです。
そのため、タイミングを逃してしまうと犬は違うことが正解だと勘違いし、ハンドラーが意図したことではない行動が強化されてしまう可能性があるので、クリッカーのタイミングはとても大事だと言えます。

クリッカーを使う際、犬を全く誘導することなく、ハンドラーが意図する行動に向かって一歩一歩進んでいく様子を肯定しながら、最終的な行動にたどり着かせる方法があります。
シェーピングと言われるもので、行動を形作るという意味でもあります。

昨日のプライベートレッスンで、犬の前足を台の上に乗せ、前足を基軸に後ろ足を動かしながらぐるっと一回りする方法教えて欲しいというご依頼があり、とりあえず全くやったことのない見習いを使って、クリッカーのタイミングを実演してみました。


201810160
photo by S.Kさん

目の前に置かれた台に対して犬がどんな行動を取るかから始まるのですが、幸い見習いはすぐに台に気づいてそばによってきたのでクリック。

それからトリーツを台から離れた場所に投げ、見習いの気を台からそらして待っていると、見習いはまた台の方に戻ってきたのでクリック。

当たり前のように戻ってきたら、今度は前足があがるのを待ちます。

急いで教えたいときは、ハンドラーがプロンプトと言われる、犬の行動が出やすく誘導する方法もありますが、今回はクリッカーのタイミングをお伝えしたかったので、何も言わずに見習いが次に取る行動を待つことにしました。

見習いは意外と早く足を乗せたので、そこでまたクリックしトリーツを離れた場所に投げます。
今度は戻ってくるなりすぐ前足を台に乗せました。

台に乗ることが正しいとわかってきたら、今度はクリッカーを鳴らさず様子を見ていると、何をやればクリッカーが鳴るのか見習いは考え、前足を動かしたり、後ろ足を動かしたり始めます。
そこで、後ろ足がどちらかの方向に少しでも動いたらクリックします。

このように少しずつ行動を教えていくのですが、シェーピングの場合、こちら側があまり余計なことをしてしまうと、何が正しい動きなのかを理解するのが難しくなってしまうことがあります。
ひたすらにこやかに、犬が行動を始めるのを待つという根気がいる作業ですが、一連の動きを続けてやろうとすると犬の頭が沸騰してしまうので、数分ごとに休憩を入れて、数回やることをおすすめします。

休憩は犬の頭をクールダウンさせるので、ステップアップが速くなります。

この日数回のセッションで、見習いは90度時計回りに成功しました。
もちろん、そのあとは高いハードルが待っています。
一周回るのにはどれくらいかかるでしょう。

要はハンドラーの根気と、犬にわかりやすいサインを送ることです。

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