たかが「マテ」されど「マテ」
犬に「マテ」と言ったら犬はどうしなければいけないのでしょうか。
「もうすぐごはんだから待っててね。」と言われれば、犬は特に何もする必要はありません。ただ、「早くご飯をよこせ~!」と催促しないで、時間をつぶしていればいいのです。
公園で、向こうからランナーが団体で走ってくる。
そんな時、ちょっと興奮しそうな犬の場合は、「マテよ。」と声をかけられた犬は、ランナーに飛びかかったり、吠えかかったりしないようにすればいいわけです。
しかし、競技会で「マテ」と言われたら、厳密に言えば、犬は動作を停止しなければなりません。
伏せた状態で言われれば「フセ」を維持し、座った状態であれば「オスワリ」を維持し、立ったままで言われれば、そのまま一歩も動かずにいる。
これが「マテ」の意味です。
ハンドラーによっては、「スワレ」や「フセ」などのキューをかけたら、犬は解除のキューが出るまでその姿勢を維持するものだからと、敢えて「マテ」をかけないこともあります。
常歩(速歩)行進中の作業などでは、前進中に犬だけ待たせてハンドラーは前進を続けなければなりませんが、言葉のキューは一度しかかけられないため、「座ってマテ」とは言わず、「スワレ」と言って移動し続け、犬は言われた場所で腰を下ろし、解除されるまで動かないでいなければなりません。
ですから、「スワレ」と言われたら「マテ」と言われなくても動かないでいると言うのは、犬にとってはそんなに難しいことではないのですが、私のようにアシスタントを全面的に信頼できていないと、ついつい「マテ」と言ってしまいます。
ただ、待っている時間が長くなればなるほど、目の前にハンドラーが見えなくなればなるほど、犬も自信が無くなり、ついつい動いてしまいます。
これを、「待っていれば必ずハンドラーは戻る」と言うことを教えながら、待てるようにの練習をしていくわけです。
ハンドラーのすぐ目の前でしかマテなかった犬でも、ハンドラーと1メートル、5メートル、10メートルと離れてマテの練習をし、同時にハンドラーが木の陰に隠れて姿が見えない状態を作ってみたりと、様々な状況で練習していくことで、犬たちはだんだん待てるようになっていきます。
しかし、これも普段練習していないと、「もういいんじゃない?」と勝手に動きだしたり、姿勢を変えたりと、いろいろやらかしてくれるわけです。
春の競技会シーズンが終わってから、ドッグダンスの練習ばかりで、半年間ほとんどオビディエンスの練習をしていなかったアシスタントニコル、先日の久々のオビ練でやっちゃいました。
みんなちゃんと待てたのに、いつもの「アタシは特別よね。」が出たのです。
『いつもの』と言うのは、見習いヴィンセントが練習している時、隣で見ている彼女は、つられてやってご褒美をゲットする時と、「アタシは言われてないのよね。」とやりたくないことには知らん顔するという技を身に着けているので、名指しで言われないと本気でやらないという落とし穴があるのです。
これではオビディエンスIIには受かりません。
お蔭で、当分は基本の見直し練習をしなくてはならなくなりました。
あなたの愛犬はどんな「マテ」を見せてくれますか?
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