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2015年12月 9日 (水)

犬の視覚と嗅覚

「犬は人間より鼻がいい。」
これは誰もが知る事実です。
犬の嗅覚は人間の一億倍とも言われているので、作業犬としてもその能力を発揮することが出来るのです。


しかしいくら鼻がいいと言っても、犬は普段鼻ばかりをつかっているのではありません。
犬種によっても違いますし、状況によっても異なります。


例えばアシスタントのようなボーダーコリーはハーディングドッグです。
つまり羊を追うことを仕事としてきた歴史を持つ犬種です。そのため他の犬種に比べると動体視力がすぐれています。
動くものにすぐ反応するということです。


ボールを投げて、ボールが飛んでいる時に追わせれば確実にボールを持って帰って来ますが、ボールを投げてしばらくしてから取りに行かせると、途中で見失うことがよくあります。
一度落ちて静物と化してしまうと、大変見つけづらくなるのです。おそらく色彩の判別能力による原因もあるかと思いますが、とにかく動かないものは認識しづらい。

そこで、見失って初めて「鼻」を稼働させます。
すると、目の前にあっても、ボールの匂いが漂う方へ動くので、ぐるっと回ってからボールに行きつくなんてこともあります。
なかなか難しいものです。

しかし、その分動体視力はとても優れています。ただその動体視力に悪い習慣を強化をしてしまうと、ほぼ一生消えなくなる可能性があります。

15年以上前のことですが、母犬クリスと、当時まだ一歳前だった子供たちを連れて夜の散歩に出たところ、たまたま出会った犬の飼い主が足元を照らす懐中電灯に反応した子供たちを見て、おもしろがって地面の上を縦横無尽に照らしたのです。

初対面だったので、私は穏便にやめてほしい旨伝えましたが、相手は全く意に介さず続けていたので、やむなくその場を去ることにしました。

しかし、時すでに遅し。子供たちは光に反応するという悪い習慣を身に着けてしまい、その後部屋に入ってくる光を反射して天井で動く光、自転車のライト、あらゆる光に反応するようになってしまいました。
動体視力の秀でた能力が裏目に出たとでもいいましょうか。


犬の能力をあなどってはいけませんね。

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