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2014年6月28日 (土)

音響シャイ対策

ちょうど一年前にも書いたのですが、

カミナリが日常的になっている関東地方では、音響シャイのために、日々辛い思いをしている犬たちや飼い主さんがいらっしゃいます。

「音響シャイ」とは、大きな音に対して過敏になって、いつもと違う反応を起こしてしまう症状のこと。

いつもと違う反応とは、
1.ソワソワして落ち着かない
2. よだれが垂れて心拍数があがる
3. 吠える
などです。

その付帯行動として、
1.部屋の中を走り回る
2.部屋のドアをひっかく
3.自分でドアを開けて部屋から外に出る
(外飼いの子は門を開けて外に出てしまう)
4.狭いところに入ろうとする
5.飼い主のそばを離れない
ということをします。

「音響シャイ」症状の引き金となるものとしては
1.雷鳴
2.花火
3.野球のミットにボールが当たる音(破裂音)
などがあります。

どの犬も「音響シャイ」になるわけではありませんし、「音響シャイ」でなかった子が急になる場合もあるので『我が家は大丈夫』ということはありません。

ただ、そうならないようにするためには、パピーの頃からある程度の音に馴らしておくのはいいことだと思います。

静かな環境で育った子や社会化不足の子はどうしても音に対して敏感になり、大きな音と何かのトラウマが関連づいてしまうと「音響シャイ」になる可能性は高くなると思います。

では、「音響シャイ」になってしまったらどうしましょうか。

それらしき症状が出始めたころであれば、
「音」が聞こえている状況下で、犬にとって楽しいことをやって「音」と「楽しいこと」をリンクさせることで、悪化を防ぐことが出来ます。
例えば、野球の音が聞こえるところを通るような時は、その場で美味しいおやつをあげてハンドラーに集中させたり、ボール遊びなど、その子にとって楽しいことをする方法があります。
ハンドラーも、その「音」が特別なものという態度を取らない方が犬も安心します。


また、物理的に犬をタッチして安心させたり、バッチフラワーレメディなどの対策が有効な場合があります。Tタッチで推奨しているボディラッピングというのも効果があるようです。


もし症状が重症化している場合は、無理に音に馴らそうとしないでください。
逆に悪化する場合があります。
ハンドラーはいつもと同じようにふるまいます。
「おやつ」や「遊び」が有効であれば行いますが、重症化している場合は、ほとんどどちらにも反応しなくなりますので無理強いはしないようにして、先にあげた「付帯行動」を防止しましょう。


外の門もふくめドアが勝手に開けられないようにしたり、どこかをひっかいて流血しないように、安全な場所に移動するなど、対応策も考えておきましょう。


犬にとって理解の出来ない「音」が犬を不安にさせてしまうので、ただ「音」が怖いだけではないということをわかってあげてください。


ちなみに歴代の我が家の犬で「音響シャイ」を発症したのは二頭。
ラフコリーとボーダーコリーの女の子です。

ラフコリーは庭にいると、必ず門を開けて出ていくので、門を勝手に開けられないように工夫しました。人間には聞こえないレベルの音を彼女は感じて、人が気が付いた時はもういないからです。
同時に、ひどくなりそうな時は玄関に入れるようにしました。
玄関にいても、こっそり入ってきて、家族のそばにくっついていました。
この子は家族のそばにいれば安心だったのす。


しかし、ボーダーコリーの女の子は、3歳前に発症して以来、耳が遠くなる晩年まで、大変辛そうでした。
外で遭遇したときは、ベンチの下などにもぐりこんで音をやり過ごし、家にいる時はドアを次々開けて玄関の前で丸くなっていました。とにかくその場から逃げたかったようです。
そこで部屋のドアには鍵をつけました。
幸い逃げられないとわかると、机の下などの暗くて狭いところに逃げ込んでいましたので、流血にはいたりませんでした。
ただ、この子はその後雷が鳴らなくても、雨の音だけで症状が出てしまったので、季節問わず注意が必要でした。


その子によって出る症状も、取るべき対策もそれぞれです。よく観察してあげましょう。

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