馴らす
犬が人間の世界でうまくやっていくためには、様々な物に馴れていかなくてはいけません。
様々な人、車や電車などの大きな動くもの、そして様々な音。
その様々な刺激に少しずつ馴らしていく方法を「馴致」と言います。
「馴致」は、対象となる刺激が犬にとって、いいものか悪いものかの判断がつく前に、馴らして、「これは大丈夫だ。」と納得させてやることで成功します。
そのためには、「おやつがもらえた。」とか「ボールで遊んだ。」など、楽しいことが同時に起きると馴らしやすいですね。
競技会などの、初めての場所に馴らしてやるときも「馴致」といいます。
そしてもうひとつ、馴らしていくという意味に「脱感作」というのがあります。
これは、すでに「いやなもの(こと)」と認識してしまったものを、「大丈夫なもの(こと)」に変えていく方法です。
例えば、大きい音、子供、いやな思いをした場所などです。
「脱感作」の場合は、すでにいやな思いがインプットされているので、楽しいことがあるよと言っても、反応できないほどひどい場合があります。
我が家の母犬クリスの時は、音が苦手になってからは、遠くで花火がなると、大好きなディスクを見せようが、おやつを見せようが、まったく話が聞けない状態になりました。
そのため、「脱感作」に無理は禁物です。無理強いすれば、状況を悪化させることがあるからです。
あるパピーパーティでのこと、人の手の動きが苦手なことを飼い主さんがトレーナーに伝えたところ、その仔犬の目の前で、「馴らしてあげます。」と、手を上げたり下げたり、あちこちに動かしたりしたそうですが、その子はストレスのあまり、初めて人に向かって「ヴーッ」といったそうです。
これでは逆効果ですね。
手が苦手な仔犬なら、おいしいおやつを手のひらに乗せて、仔犬が自分から手に近づいてくるのをじっと待ってください。
「いやなもの。」「こわいもの。」と認識してしまった子に「大丈夫だよ。」と教えるには時間がかかります。ショック療法ではなく、少しずつ時間をかけてあげましょう。
雷や花火が鳴ると椅子の下から出てこなかったクリさんも、
晩年は、歳のせいか多少鈍感になって、おやつを見れば指まで食べる勢いでした。
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