復活の兆しだよ。
昨日病院に行ってから、
ママは先生の真似をして、かさぶたをガシガシはがすようになった。
今までは、「痛いわよねぇ、ひっぺがしたら・・。」って
一線は越えなかったのに・・。
っが、おかげで、なんか大分よくなってきた。
ほらっ。
あっ、こういうの苦手だった?
ママは結構好きなんだよね。
影がガラスに突っ込んで血まみれになったときはひっくり返ったのに、
ボクたちがグチグチになると、
気合入れて治療しようとするんだよ。
クリかあさんの尻尾が無くなりそうになったときも
ママは毎日傷口の絆創膏を換えていたし、
ニキーが癌で、皮膚に穴が空いてべたべたしたものが出ていたときも
せっせと拭いていた。
だから本当はボクのかさぶたも取りたかったらしい。
でも、ボクが『それはがしたら、たとえママでも噛むからね』って
脅しをかけたからやめていたんだけど、
昨日先生がきれいにしてくれてからは、
ボクがあまり痛そうにしなくなったんで、ママはボクを見るたびに
育ちそうになったかさぶたをせっせとはがしている。
「そうよね。いつまでも5センチ禿げじゃ恥ずかしいものね。」
・・・・・。
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