訓練競技会

私達親子がず～っと「訓練」っていうのを続けている話は前にも書いたけど、別に警察犬とかになろうっていうわけじゃないのよね。
ママは私達が人間と暮らしていく上で、うまくコミュニケーションが取れるようにするための手段よなんて言うんだけど、いつの間にか「競技会」ってやつに出るようになってたわ。
コミュニケーションをとるだけなら、「競技会」なんていらないのにね。

私が最初に「競技会」に出た頃は、ボーダーコリーって珍しかったの。
だから、会場でボーダーコリーを見つけたママはすぐにお友達になってもらったわ。
聞いたら、彼女も私と同じ97年生まれだったの。

彼女はとってもお利口さんで、パパやママの言うことをちゃんと聞いて、いつも競技会でも普段の時と同じように頑張るから、ちゃんといい成績が取れていたの。
でも、私はなぜか競技会のリンクってやつに入って歩き始めると、つまらなくなっちゃうのよね。
だって、ママはおやつやボールを出してくれないし、一生懸命やってもちっとも褒めてくれないの。
それじゃぁ、やってたって面白くないわ。

しかも、リンクに入ると、目つきの悪いおじさんが二人も立っていて、私達のことを睨んでるのよ。
「ママ！怪しい人がいるけど、吠えてもいい？」
「…。」
「なんとか言ってよ！もぉっ！」

ってな調子で、コミュニケーションをとるためにやってるはずなのに、ちっともコミュニケーションをとってくれないのよ。これって変じゃない？

それに競技会って、雨が降ろうと、雪が降ろうと、カンカン照りだろうと、お休みにはならないのよ。
雨が降るとドキドキしちゃったり、カンカン照りで黒い毛皮が太陽を吸収してへばっても、競技会は続くの。
これってコミュニケーションをとるというより、根性をつけるための試練って感じね。

まぁ、いずれにしても、長い間やっている間に、お友達も沢山出来たし、根性の方は相変わらずだけど、楽しいことも沢山あったから、また機会があったら出てみようかしら。
もちろん、ダンスの方がずっと楽しいけどね。