そう言えば…。

桜の話のあとで、なんなんだけど、私、今年も雪国に行きそこなったみたい。
私がママの家に来た年は、みんなでスキー場って言うところで雪堀した話は書いたけど、それから毎年のように私たちは雪がいっぱい積もっている所に旅行に行ったの。
雪は楽しいわ。ちょっぴり冷たいけど。

私の前にいたスコット君も元気な頃は、毎年雪国に行って、「影」や「影」の友達をソリに乗せて引っ張ったりして遊んでいたそうよ。
晩年ヘルニアで具合が悪くなった時も、雪の上だけは嬉しそうに歩いたってママが言ってた。

子供達が生まれるまでは、ママとのんびり早朝の雪原を散歩したり、雪球遊びをしたり、一緒に行ったお姉さん達と走り回ったりして楽しかったけど、子供達が生まれてからは、そうそうのんびり出来なくなったわ。
何しろ、あの子達は雪の上で追いかけっことかあまりしないのよ。
白い雪の上に映る影（本物のね）に興味津々で、あんまり動かないの。つまらないわ。
雪球投げも、雪堀もあんまりしなくて、下ばっかり見て歩いてるの。バカじゃないの？

まぁ、それだけだったら、私はママとゆっくり遊べるから別にほうっておけばいいんだけど、最後に雪国に行ったときは、みんなで遊んでいた雪原の、隣のゲレンデからはみ出してきたスノーボーダーを見つけて追いかけて行っちゃったのよ。
もちろんスノーボードの方が速いから追いつけっこないんだけど、それにしたって無謀よね。
ハンスにしてみたら、スケートボードと同じ感覚だったみたい。
でも、特に大きな音がしていたわけでもないし、なんでハンスはこうバカなのかしら。
一緒に行ったお友達も呆れていたわ。

それからは、毎年一緒に行っていたお友達の都合が合わなくなったりして、雪国から足が遠ざかっちゃったけど、今年こそまた行きたいわ。
今度行ったら、絶対「影」のスノーボードにハンスを縛り付けてやるわ。
きっと肝を冷やして、二度と追いかけなくなるかも。うふっ。

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