家族がふえた！

二度目にお腹が痛くなってきたときは、ママがちゃんと見ていてくれて「ガンバレ！」って声をかけてくれたの。
私も気合を入れていきんだらツルッて出てきたわ。今度も白黒。
ママに邪魔される前に、薄い膜だけはペロッて頂いちゃった。

最初の子をきれいに舐めてやっていたらまたお腹が….。
いつまで続くのかしら。
でも初めの頃より楽みたい。

気がついたら、三つめの子も出てきてた。
その時玄関のチャイムが鳴ったの。
こんな忙しい時に一体誰？しかもまだ朝の５時前だって言うのに。
そう言って吠えに行こうとしたらママが、「赤ちゃんが落ちるから動いちゃダメ！ベスのお父さんだから大丈夫！」って私を引き止めたの。
ベスって言うのは私の公園仲間のお局様ね。
そう言えば、さっきママが手が足りないって、ベスのお父さんに電話していたようないなかったような…。
何しろ忙しくって、他のことはいちいち気にしちゃいられないのよね。

三つ目もきれいな白黒だったわ。
しばらくお腹の痛いのがおさまっているあいだに、ママはベスのお父さんと、私の新しい家族達をちっちゃいお風呂に入れて洗ってくれた。
みんな目が見えないくせに、すごい勢いでおっぱいに吸い付いてきたわ。うぅぅ、痛いかも…。

ママがカメラやビデオで私たちを撮っている間、ベスのお父さんが「よく頑張ったね。」って褒めてくれたわ。
私はもうこれで終わりかなぁって思いたいんだけど、なんかまだお腹が変なの。
だから、またあちこち掘りたくなっちゃった。

結局１時間くらい、部屋の中を行ったり来たりしながら掘っていたら、またお腹が痛くなってきちゃった。
まだ出てくるみたい。
ママは傍で「女の子よ。もうひとり女の子を産んでね。」なんて勝手なことを言ってた。
産むのは私なんだからね。そう上手い事行くわけ無いじゃない。
後で聞いたら、女の子と男の子１頭ずつとどちらでもいいって言う人が私の赤ちゃんの里親さんになるって決まっていたんだって。私は聞いてないわよ！

最初に生まれたのが女の子で、この子は最初から私の家族になるって決まっていたらしいのよ。
次に続けて男の子が生まれたから、ママはあともう１頭女の子って念じていたわけ。
さすがの私にだって、あと何が出てくるかなんてことはわからなかったわ。

４頭目が生まれるまでは結構時間がかかった。
立ったり横になったりしながら、なんとか早く出そうとしたんだけどダメだった。
力尽きて横になっていたら、やっと出てきたの。ふ～っ。

ところが、ママはその子を見て何も言わないのよ。
前の三頭の時は、はしゃいでいたくせに！なんで？
ママは「男の子よ」って言って私に見せてくれたわ。
なに？それだけ？
見るとやけに頭がデカくて、顔が真っ白なのよ。変だわ。
私に全然似てない！
ママがボソッとつぶやいた。「白玉あずき…。」
そんなやり取りをしていたら、またお腹が….。ううぅっ、まだいたらしい。
そして無事最後の一頭が生まれたの。
ママの期待通りに女の子だったわ。

すごく長くなったから、またね。